3期生もいい。でも…やっぱり私は、

もと1期生がスキッ!(←すんません)


 「去る者日々に疎し」そんな言葉をしみじみと実感させられたのが、1月15日の朝日生命ホールでの「はじめまして3期生委員会です」コンサートの日でした。
 この日は、私が個人的に発行した『SKIを遠く離れて〜脱会メンバーたちのその後 PART1{特集:秋山 望・前田厚子・宮本里枝子}』の発売日だったのですが、売れ行きは予想外に低調で「80〜90部はカタい」との見込みも下回り、65部(実売60部)が出たにとどまりました。【なお、今からでもお読みになりたい方は、KS3編集部までお問い合わせください】 いろいろ聞いて歩いても、「そんな人知らない。」「最近、SKiファンになったばかりなんで…。」といった答えが返ってくることが多く、一部好意的な初期からのファンの方々にさえ「古い」とか「深い… 深すぎる!」と言われたり(笑)といったありさまでした。

 そういえば最近、ミニコミの編集後記などを見てても、結構「SKiファンになって、はや1年半。」とか「去年からコンサートに通いはじめ云々。」なんて記述が目立ちます。それに今回、会場の前にしばらく立っていても、見覚えのある顔がかなり少なくなっていて、「一昨年ごろ(1期生だけの頃)いつも来ていた人も、ずいぶん来なくなっちゃたなぁ。」という感じでした。私の見る限りでは、半分位は入れ替わってしまったみたいです。そのためもあってか、ファンの興味もほとんど3期生に集中しているみたいで、ちょっと寂しい気分になってしまいました。

 初期のステージをご存じの方も、もしかしたら今では少数派になりつつあるのかもしれませんが、結成されてから半年あまりまでのSKiというのは、今とは全くの別物です。その頃のSKiは、「いじめ追放」「正しい日本語を使います」などが活動テーマで、ステージにしても完全に台本が決まっており、アドリブは禁止。メンバーへのかけ声やヤジなど皆無で、曲やMCが始まれば会場は水を打ったよう(笑)に静まりかえるという、アイドル歌手のステージとしては、おそらく前代未聞のものでした。しかし、いかにも生真面目でおとなしい優等生、といったタイプの女の子たちが、緊張に顔をこわばらせながら、必死に演じる緊迫感あふれる(?)ステージは、すがすがしく実に感動的でした。《まぁ、その一方で観客席が 父兄・親戚だらけというのも、かなりスゴかったですけど(笑)。なお、その頃のステージについては、コミティビデオvol.0「海賊版」あたりを観れば、だいたいの感じはつかめるかと思います。》 ちょっと気恥ずかしい言い方ですけど、私などそんな彼女たちを見るたび毎回、大人になるとともに失いかけていた何かが、いくらかでも取り戻せたような気になれたものです。もう、あのようなコンサートは生涯、二度と観ることはないだろうし、それを考えるとなんだかとても残念な気がします。

 ですから、私の場合正直なところ、ここ1〜2年はSKiからもやや足が遠ざかり気味でした。それでも不定期(ちょぼちょぼ)ながら、コンサート通いがやめられずにいたのは、惰性(苦笑)とともに、もしかしたらあのころに近いステージがいつかもう一度観られるのではないか、という期待がどこかにあったからです。しかし、今回の3期生のステージにしても、初期のころの雰囲気とはまったくかけ離れたものでした。みんな、確かにレベルは結構高い。しかし、私のような“初期ステージ愛好者”がSKiで観たいのは、“何もできないマジメなシロートの少女たちが、とまどいつつも試行錯誤の中で、精一杯演じる芸”なのです。《←ちょっと屈折しすぎかな?(笑) でも、アイドルに関しては“未熟の美”っていうのもアリですよね。》 それにコンサートの内容にしても、ここ最近は[P-A-R]とか[Yuck'er-Lee],[SKi-P]など、「学校」「学生」という文脈から外れたユニットがあまりにも増えすぎているように感じられます。やはり、「制服向上委員会」と名乗るからには、もうちょっとその辺にこだわりを持ってもらいたいと思うんですけど(←少々キビシイ意見)。まぁ、楽しみ方は人それぞれですから、「あれでいいのだ」という方も結構いるのでしょうね。それにしても、最近になってファンになったという方の目には、SKiはいったいどのように映り、またみなさんは、何を求めてコンサートにいらっしゃっているのでしょうか? もし機会があれば、いろいろとそのあたりのご意見なども伺ってみたい気がするのですが…。

(東京都/桂木 明)


vol.3目次