《久美ちゃんの卒業》
「くぅ〜みちゃん くぅ〜みちゃん」(IJF 2より) 比較的SKiファン歴の浅い私が、はじめて久美ちゃんを目の前にしたのは、去年の真夏の祭典《SKi 23時間世界一周の旅》だったと思う。その頃の私は、まだ久美ちゃんの魅力に気づいていなかったようだ。そして、長いようであっという間のIJF 2の終了後、「仕事してたねぇ、いつから滝本ファンになったの?」と言われ、はじめて自分が滝本ファンだったことに気づく。ちなみに、それまでは菜々ちゃんファンだった(笑)。しかし、10月末と言えば、そんなに深くない人の間にも[久美ちゃん卒業説]が、流れ始めた頃でもあった。噂とはいえ、“1推し卒業”は、少々淋しいものがあった。「わざわざ、卒業するメンバーを1推しにしなくてもいいじゃないか?」何度、自問自答したことか。そんなことを繰り返すうちに、どんどん深みにハマっていった…。クリスマス。久美ちゃんは出てこない。同じく、卒業の噂が流れている れいちゃんは、サンタになっている。たまたま出ていないだけだと思い、ちょっと物足りないなぁと感じたまま、ステージは終わってしまった。しかしこの時、出逢ってはいけないメンバー(=現 1推し)と会ってしまい、今もSKiファンを辞められないでいる(笑)。
年が明けて、3期生の入学式。久美ちゃんの姿は見えない。卒業式まで、ステージで久美ちゃんは見られない状況に…。そんな中、クリスマスに出逢った現1押しは、昼の部で『みんな元気』をソロで歌うし、SKi-Pでも踊っている。オマケに、夜の部では寿隊に入隊した との話もある。久美ちゃん卒業のショックを少しでも和らげようと、現1推しのことばかり考え、久美ちゃんのことはあまり考えないようにしていた。P会報に卒業メンバーが載り、“卒業確実”に。現実逃避ばかりしていられなくなった。頭では理解していても、気持ちの整理がつかないまま、いよいよ当日に…。
「絶対に泣かない」と覚悟を決め、渋公へ。当然だが、久美ちゃんはステージにいる。しかし、きょうが最後。淡々とカウントダウンが進む中、「本当に卒業式?」と感じたりもした。「きっとこれは夢だ」「このまま時間が止まればいいのに」そんなことを考えていると、カウントダウンも残すは数曲。待ちに待った『さよならは出逢いの明日へのしるし』が流れてきた。きょうが最後だとわかっていても、淋しさを忘れるために、私は踊っていた。いつもとは違う気持ちのこもった、精いっぱいの歌声は、素晴らしいものだった。踊っていながらも、ふと我にかえったとき、その歌声に感動して、何度か意識が遠のいてゆくのを感じた。この時の久美ちゃんは、私の知る限りで、いちばん輝いていた。
そして卒業式。卒業してゆくメンバーから、一言づつの挨拶。久美ちゃんがマイクを構えると、頭の中が白くなってゆくのを感じた。何と言ったのかは、覚えていない。ただ、他のメンバーに比べると、言葉数が少なかったことだけは覚えている。言葉の少なさが久美ちゃんらしいといえば、いえるのかもしれないけれど、問題は言葉の数ではない。その少ない言葉から、久美ちゃんの気持ちをできる限り感じとった。さすがに我慢できない。「泣かない」と決めてたのに。同じように、久美ちゃんの瞳にも輝くものがあった。綺麗だった。輝いていた…。知る限りの久美ちゃんの思い出が、私の頭の中を駆けめぐる。「これが、最後かぁ…」瞼に焼きつけようと思い、双眼鏡越しに見るのだけれど、溢れる泪と震える手のためピントが合わない。久美ちゃんの卒業の言葉が終わった。短い時間だったが、とても長く感じられた。一通りの卒業の言葉が終わり、拍手で送られる中、居ても立ってもいられなくなり、「久美ちゃ〜ん!」と連呼していた。これが最後の応援になった。
数日後。まだ実感はない。ただ、間違いなく言えることは、今後SKiのステージで、久美ちゃんが出てくることは無いってこと。考えてみれば、久美ちゃんを見たのはIJF 2以来かと思う。「じゃぁ、たいして変わんないじゃん」って感じだけど、「出てくるかもしれない」って期待が、もうできない。久美ちゃんは卒業したのだ。あした(3/31)のステージで“卒業”をはじめて感じるのだろう。そして、この気持ちに整理がついたとき、徐々に思い出に変わってゆくのでしょう。
特別 可愛いわけでもない(可愛いけど…)、特別 歌がうまいわけでもない。だけど、そんな久美ちゃんが、あのキャラクターの久美ちゃんが大好きだった。イヤミのない 鋭いツッコミ・ボケ、微妙な歌唱力(笑)。思い出せば、きりがない。事実上卒業し、今後私たちの前に現れることはない。けれども、久美ちゃんを忘れない。あの笑顔を忘れない。私の、私たちの心の中で笑っているから…。3年と3ヶ月、お疲れさまでした。そして、楽しい時間を楽しいステージをありがとう。今後の久美ちゃんの活躍を期待しながら、心からお礼を言いたい。
久美ちゃん、ありがとう!
[文:神奈川県/あかね, 写真:夢野 雫]
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