◆ コンサート レポート ◆

 第68回制服の日 制服向上委員会デビュー3周年記念
《制服宣言ツァー'96》大宮公演

  at.大宮ソニックシティ・小ホール
    1996/ 5/ 6(Mon) 14:30-[昼の部],17:30-[夜の部]


 ゴールデンウイークの公演も、この日で最後。3日の金曜日から、4日連続10公演に参加したので、かなり疲れている。でも、メンバーはもっと大変なんだろう。
 入場するときに、3期生との握手会があった。前日、『制服宣言』を歌ってる途中に鼻血を出してしまった彩子ちゃんにそのことを言うと、「きょうも、出たんですよ。」と。裕紀子ちゃんには、ソロの歌がとてもよかったことを伝える。喜んでもらえてよかった。

 『はじめまして』で始まる《制服宣言ツァー》。なかなか、オーソドックスなコンサートである。こういうのも、たまにはイイなと実感する。ブラウスに、ベスト またはセーターという制服も春らしい。

 昼の部は、靴のサイズ順に自己紹介。いちばん小さいのは、(久保)愛ちゃんの22.5cm、その逆は25cmの彩子ちゃん。なみ子ちゃんが24cmと言っても、誰も信じようとはしなかった(笑)。本当は23.5cmとも言っているが…。夜の部では、食事の好み別に登場。智子ちゃんは〈中華〉派。髪型をおだんご2つにしているのは、これに合わせたのだという。また、〈ゆずドレッシング〉発言で、客席を爆笑させたゆかりちゃんもすごい。

 この日は、ひとりずつ夏の思い出を語っていくコーナーがあった。ところが夜の部、途中で千秋ちゃんが割り込んできて、時間が無いからと中断させてしまったのだ。続いて、その千秋ちゃんによる『蒼い天使の糸』。結果的に、ソロで歌うのはこれが最後だったのである。いつもに比べると、歌や踊りもていねいに感じた。立派だった。

 最終日ということで、やっぱり後ろで踊ってしまう。あ、左側なので勘違いしないように(苦笑)。こまばエミナースよりも、ダンスアリーナに奥行きがあり、『清く正しく美しく』のアーチや『笑顔がスキッ!』の花も、踊ることが出来た。アンコールでは、客がやはり総立ち状態に。そういう時、いつも私はうしろから観ているような気がする。

 それはともかく、『終章 〜エピローグ〜』が終わると、さらに『今日の日はさようなら』が流れてきた。とりあえず席に戻る。順番に、ひとりづつ感想を言っていく。千秋ちゃんが泣いている。智子ちゃんや博子ちゃんも…。いったいみんな、どうしたのだろう? やがて、最後から2番目。千秋ちゃんの番だ。「今まで、2年間やってこれたのも、ファンの皆さんのおかげです。」 それを聴いて、事態を察知した自分が信じられなかった。号泣する千秋ちゃんを見ているのが辛い。最後、なみ子ちゃんの番になる、なかなか言葉が出ない…。

 幕がおりた。こんなに重苦しい雰囲気の客席は今までに見たことが無い。足取りが重い。絶叫する人、肩を落として歩く人、涙をこらえきれなかった人、誰もが[田村千秋]の存在と向き合っていた。

[論説委員■夢野 雫]



 この日は8時30分に起きた。いつもは朝食は(not シリアル)食べないのだが、珍しく母親が作って待っていたのである。そのうち、僕以外には誰もいなくなってしまい、自分1人となっていた。10時過ぎに電話がかかる、母親のようだ。「稔、駅前の喫茶店までいらっしゃい。」と言う。「なんでやねん、こんな時に。」と思いながら出かけていくと、またまた珍しく、コーラをおごってくれた。急いでいたのだが、炭酸でなかなか早く飲めない。そんなこんなで、新大阪駅に着いたのが10:49。今日はゴールデンウィークの最終日だったので、指定席は軒並み満席。少し待って、11:26発のひかり86号の自由席に乗る。新大阪を発車してから、4号車で乗客同士のケンカがはじまり、車内が騒然となった。なんでも、空いていた1つの座席の取り合いが原因だという。椅子取りゲーム(not 恋の)は、幼稚園だけにしてくれ! ずっと立っているので、時間の経つのがずいぶん遅く感じられる(いつも“のぞみ”ばっかり乗っているせいもあるが…)

 と、その時、近くに座っていたご老人が「名古屋で、中央線に乗り換えるから」と座席を譲ってくれたのです(ありがとう>おじいちゃん)。こうして、名古屋駅の手前で座ることができた。そのあとまた寝て(^^;;;、東京駅へ14:38に到着。もう 昼の部は始まっている時間だが、最終日だし、少しは観ておこうと思い、隣りのホームから Maxやまびこ49号に乗り込み、イチロ・大宮へ…。

 会場は、大宮駅の西口にある〔大宮ソニックシティ〕。この建物を空から見ると、白い(not ゆずぽん)大きなグランド・ピアノの形をしているそうだ。ホールに入場したのは15時20分だったので、およそ50分の遅刻となってしまった(泣)。500人ほど入るホールだが、お客さんの数はその半分くらいだった{寒〜い(苦笑)}。ドアを開けると、井上さんの『みんな元気』が聞こえてきた。

 公開生徒総会は、おなじみ本田博子ちゃんが議長、パネラーは3期生と普通の(!?)久保さん。議題は“校則規定について Part.2”で、「冬場、2時限以降はストーブの使用禁止」とか「トイレには、20分以上居てはいけない」なんて話もあった。{このあとの内容は、夜の部とほとんど同じなので、詳細は次項にまとめて書くことにします。}

 終わってから外に出てくるとき、メガネを忘れてきたことに気付かなかった(苦笑)。

 夜の部の開場待ちのため、いったん外に出て、時計に目をやると17時15分になるところだった。しばらくして、コミティの今村さんが、「お待たせしました。ただいまより、夜の部の入場を開始いたします。」と。入口では、ナナナント(c)握手会が行なわれてるようだ。「今回は、だれかなぁー」と思って見ていると、3期生の片桐さんと小林さんだ。「あと5分です!」との声が聞こえたので、急いで名刺を用意して列に並ぶ。さぁ握手だ!と思ったその瞬間、うしろから「Benetton!」と声が掛かる。「誰やねん」と思い、振り向くと、玉井ヤギだった(笑)。

 お2人には「よろしくお願いします」と言って、渡したんですが、笑顔で受け取ってくれましたよ(嬉しい〜)。「やり〜」と満足しながら、雫さんたちと話していると、どこかで聴いた声が…。誰かな?(c) 瑛子ちゃんだ!直美ちゃんだ! う〜む(大苦笑)。

 いよいよ《制服宣言ツァー'96》も、残すところあと1回になってしまった。18:00『はじめまして』のイントロが流れて、緞帳が上がる。最終公演だからか、メンバーは(客も)昼の部以上に張りきって踊っている。『制服宣言』に加え、『同級生』まで英語(not 瑛子)バージョンだ。『制服〜』を歌う本田博子ちゃんも、センター・ボーカルが板についてきたようです。そういえば、'95カウントダウンのパンフレットで千秋ちゃんが、この曲を歌いたいと書いてたのを、思い出します。

 夜の部では、食事の好み別に登場したんですが、広川さんは〈カロリーメイト〉派だそうだ。「チョコ味が好きなんですぅ」と。曲に戻り、『約束』は博子ちゃんが、『蒼い天使の糸』は千秋ちゃんが、それぞれソロで歌いました。

 新2期生は『ダイエット号に乗って』で、昔はポンポン隊だったのだが、今やボーカルを取っているなんて、時の流れは早いものです。望月さんの歌っていた『ダンシング・セブンティーン』は、橋本美香ちゃんに引き継がれた。しかも、ファンの方がくるくる回るし(笑)。僕の大好きな『同世代の少女たちへ』のあと、〔制服宣言・第一宣誓〕を久しぶりに聞いた。智子ちゃんの歌う『清く正しく美しく』で本編終了。

田村千秋  アンコールで、いまはもう聴くことのできない、千秋ちゃんの『恋の秘密』が。この曲や『恋愛知動説』などは、“弾ける”千秋ちゃんにピッタリのイメージだっただけに、とても残念だ。GW公演で初披露された、智子ちゃんの歌う『傷だらけの青春』や『終章 〜エピローグ〜』のあと、いつもは聴き慣れないメロディーが響きわたった。『今日の日はさようなら』だ。すると、千秋ちゃんがいきなり泣き出してしまった。

 さらに、美緒子ちゃんも 智子ちゃんも 裕紀子ちゃんも、そしてSKiのメンバー全員が泣いていました。しかし、普段はなかなか言い出せない自分も「千秋ちゃん、がんばれ!」と絶叫。それに合わせて、会場のあちこちから「がんばれ!」コールが響きました。が、千秋ちゃんがようやく口を開き始めたその瞬間、約300人の観客は我を見失い、ただ茫然と立ちつくすことしか出来なかったのです。千秋「5月11日が、(私にとっての)最後のステージになります。」さらに、リーダーの諸岡さんが「私たちSKiは、5月12日から 16人で活動していきます!」と、絶叫に近い涙声で言ったその瞬間、緞帳が静かに降りはじめた。

 20:34 もう何ともいえない大波乱の《制服宣言ツァー'96》最終フライトが終わってしまった。「いったい、何が起こったんだ!」と思いながら、ロビーへ。観客の中には、すでに号泣している人、うつむいてしまった人と、もう様々だった。外に出るとき、ORANGE IDOLの村山編集長から、「(KS3で)千秋ちゃん特集号を作ってくださいよ。」と打診を受ける。いつのまにか、いつもの仲間が集まっていた。そして自分は、その悔しさをぶつけるが如く、「ちっ、ちくしょうー!」と、大宮の街に向かって大声で叫んだのであった。

[文:編集長■Benetton, 写真:Sさん]


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