ハッ!Train


 宮本,望月,松田,諸岡…。いま明かされる、SKiメンバーの名前の秘密。

イニシャル“M”は、なぜ多い?

 この3月に発売された、ユニット集〈大人はわかってくれない〉に収録されているユニットの中に、[3M]という名前がある。ネーミングからして、【イニシャルにM】が付く3人だろうと想像できる。歌っている曲が『卒業』だから、きっと最近卒業したメンバーのうち、望月,桃子,みゆきの3人(望月菜々だけ、名字なのが引っ掛かるが…)かなと思ったが、見事にハズれた。

 この時に気づいたのだが、SKiのメンバーには【イニシャルM】が多い。私の知っているメンバーの中で、<姓>がMで始まるのは、前田厚子,宮本里枝子,望月菜々,松田ゆかり,諸岡なみ子,水野亜美,松本美雪,宮田直美。<名>がMで始まるのは、奥山美夏,藍田真潮,白石桃子,吉田未来,浅野みゆき,久保 愛,松本美雪,斉藤美緒子,橋本美香 となっている。SKi結成当時の頃をよく知らないので、ひょっとしたら他にいるかも知れないが、手許にある資料の32名中 16名、つまり半数が【イニシャルM】なのである。これはおかしい、何かあるゾ!!

 では、一般人の場合はどうだろうか。私が通っていた高校の、卒業生500人について調べてみよう。女性の名前<名>で一番多いのは、やはり[M]で20%(5人にひとり)だが、SKiメンバーは28%で、4人にひとり以上の確率ということになる。名字<姓>の場合は、あなたの家にもある電話帳(NTTのハローページ)を繰ってもらえれば分かるように、ま行のページはあ行の半分もなく、率でいうと約10%と少ない。それに対して、SKiの場合は25%と圧倒的に多いのである。
 比較のために、他の女性アイドルについても調べてみた{資料:井出百合子(もと 望月菜々)ちゃんが載っている、〈Up to Boy〉'96年8月号}が、名字<姓>にMが付く人は14%で、Aと同率首位。名前<名>にMの付く人は33%で、3人にひとり。これは、どちらも一般人の平均を上回っている。

 こ、これは一体どういうことなんだ!!
 女性アイドルに、【イニシャルM】がなぜ多いのか? ひとつ思い当たるのが“母性発音”である。

 「母親」を英語で発音すると「マザー」、フランス語では「ママン」、中国語では「媽(ま)」など、世界的にみても「ま」の音は母親を表す発音である、というのが言語学では定説らしい。「ま」に限らず、Mの付く音(まみむめも)には女性的な響きがあるらしく、女性に関係する単語にはMの音が多く使われている。
 つまり、Mの音には女性的なイメージがあるので、かわいらしい女の子の名前を付けようとすると、おのずから【イニシャルM】が多くなってしまう…。

 これが、私の立てた仮説である。よって、一般女性の名前や、女性アイドルの名前に【イニシャルM】が多いのも、うなずける。
 そして第二の謎は、SKiの【イニシャルM】のメンバーが、1期生は圧倒的に多くて 64%なのに、2期生は44%、3期生は33%と、だんだん減少していることだ。どうしてなんだろう?
 考えられる要因は、主にふたつあって、ひとつは、単に似たような名前が増えるのを嫌ったため。現に、2期生には「みゆき」が2人いるために、先に入った浅野みゆきと区別するため、松本美雪は[みゆき2号(みーつー)]と呼ばれることになった。

 もうひとつは、“メンバーの個性化”である。
 初期のSKiが、「清く正しく美しく」「悪い事などしない…」女の子のイメージを持っていたのに対して、3期生は随分と等身大に近づき、「元気な女の子」や「面白い女の子」が増えてきたように思う。このイメージの変遷を反映して、ふつうの女の子の名前に近づいたのなら、この名前の変化の中に、SKiの時代的変化を見ることができる、と私は思う。
 かわいい女の子の名前は、【イニシャルM】で、キ・マ・リ だね…。

 ※さて、冒頭に登場した[3M]というユニットの3人とは、誰のことでしょう(CDを聴けば、すぐに判るよ)

 [3M]のメンバーの、真似なんかしてみた…。

[群馬県/知恵之輪士]


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