《[新・寿隊]に求めるもの》
7月13日、メンバをほぼ総替えで、[新・寿隊]のステージがあった。彩子ちゃんを隊長に、裕紀子ちゃんが中隊長、直美ちゃんが小隊長という。個人的な事を書かせてもらうと、1推し〜3推しが長をつとめる“最強のユニット”になった。私は実際に、[新・寿隊]のステージは観ていない。観た人から聞いた話でしか、ステージの雰囲気はわからない。そんな私が書くのも、変な話かもしれない。けれども、もし興味が有れば読んでいただければと思います。
[寿隊]といえば、早々にアルバムをリリースするなど、各種ユニットの中でも人気のあった方だと思う。“へろへろ”菜々隊長をはじめ、“弾ける”田村中隊長と、個性的なメンバが揃い、寿隊を脳裏に焼き付けるのには十分だった。いつもマイク持ってたメンバで、今ではソロ化も期待できる篠原小隊長も、決して目立っていたとは言えないと思う。
「望月隊長と田村中隊長の二人が、寿隊のイメージを作っていた。」そう言っても過言では無かったと思う。菜々ちゃんが卒業し、しのさん組[篠原,松本,本田]が抜け、3期生が加わり田村千秋が隊長になった時、期間は短かったけど、今回と同じように「何か違う」と言われていなかっただろうか? 決して、隊長の千秋が悪いわけではない。菜々ちゃんあっての[寿隊]だった。菜々ちゃんの隊長で、菜々ちゃんのボーカルだからこそ、寿隊があった。千秋には千秋のキャラクターがある。決して菜々ちゃんの真似をしろとは言わないが、寿隊の隊長として菜々ちゃんのキャラクターをカバーするには器が合わなかった。これは実力の問題ではない。イメージ・キャラクターと言った、一番大切な部分。菜々ちゃんが隊長をやっていた頃のイメージが、かなり強烈だったのだろう。
そして、突然の田村千秋隊長の脱退宣言。7月13日までの約2ヶ月の間に、田村千秋がSKiに戻って来ないという前提で、いろいろな意見が飛び交った。その中の一つが、「寿隊解散要求」。寿隊のキャラクターであった菜々ちゃんが卒業し、続いて千秋までもが辞めてしまう。菜々ちゃんも千秋もいない状態で、「そんな寿隊は寿隊じゃない!」というもの。更に「楽曲を引き継ぐ為だけに寿隊を存続させるのであれば、その寿隊に対し 求める物は何もない。」など。私の中でも、寿隊といえば 菜々ちゃんであり千秋であった。 名前と楽曲は引き継げても、雰囲気までは引き継げない。千秋隊長時代のメンバには悪いが、菜々ちゃん無き後の寿隊に対しては、何も期待していなかった。一緒に踊ることが出来れば それでいい、その程度だった。更に千秋の脱退など、寿隊と言っても名ばかりで、菜々ちゃん時代の寿隊からは、ほど遠い寿隊が予想された。
人それぞれ[寿隊]に対し、求めるものは違うと思う。私の場合、菜々ちゃんのボーカルがかなり印象強いので、やはりそういった寿隊を期待してしまう。しかし現実は、彩子隊長が就任し 新3期生も入り、以前の寿隊を知るメンバーはいない。彩子ちゃんも裕紀子ちゃんも寿隊としてステージに出たのは限られるはずだし。言ってしまえば総替えに近い。そんなメンバに、以前の寿隊を求めてはいけない。美香ちゃんの『ダンシング・セブンティーン』の時のように、菜々ちゃんの『ダンシング・セブンティーン』とは“違う曲”として観る事の方が、もしかしたら正しいのかも知れない。
ステージを観た人の感想としては、個人的な満足を除けば「何か違う」といった意見が多かったように思う。隊長が千秋に変わった時と同じだ。「寿隊のメンツが誰になるか?」を知る前から だいたい予想はついていた。みんな、[寿隊]の基準が、菜々ちゃん&千秋、そして当時のメンバにあるのだろう。新・寿隊に対し、旧・寿隊を求めるのは酷だし、どんなに真似ても旧・寿隊であるわけがない。[新・寿隊]なのだから…。
メンバーを3期生で染める事により、名前は同じでも、全く違う[寿隊]を構成する事が出来る。今までの素晴らしい楽曲を引き継いだ上で、今度は[新・寿隊]を創って欲しいと思う。菜々ちゃんや千秋は、人気も影響力もあったと思うし、大きな先輩だったと思う。
[旧・寿隊]を否定する訳ではないが、旧・寿隊を超えるような[新・寿隊]になって欲しいと思う。しばらくの間は、なにかと旧・寿隊と比較され、厳しい意見が続くかも知れない。 しかし、決して[旧・寿隊]を真似るのではなく、彼女たちの[新・寿隊]を築いて欲しい。いや、「彼女たちなら出来る!」と、そう願いたい。
[論説委員■まる井]
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