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『ハーツ・ネバー・ライ』について思うこと

 『ハーツ・ネバー・ライ(正しくは、「HEARTS NEVER LIE」)』は、1994年5月、青山れい,奥山みかの2人で結成されたユニット[?]の初公演の時、奥山みかが歌った感動的なバラードだ。作詞は奥山みか、作曲はブロンディとなっている。私は、曲の出典をよく知らないので、読者の皆さんの中でご存じの方がいたら、ご教示願いたい。しかし、いずれにしろ、奥山みか作詞のヴァージョンは、SKiでしか歌われないだろうから、事実上はSKiナンバーと言ってもよいだろう。
 奥山は、卒業式の時もこの曲を歌った。歌い終わって舞台の袖に引っ込んだ後、号泣する彼女の姿は、今でも私の目に焼き付いて離れない。吉田未来が、「私が歌ってもいい?」と言ったら、青山れいが「この歌はみかちゃんの歌です。勝手には歌わせません!」と吉田を叱っていたのも印象的だった。個人的には、吉田ならうまく歌えたのではないかと思うが、それも吉田の退会により、実現しないで終わってしまった。

 しかし、いくら奥山の歌だからといって、お蔵入りさせてしまうには、あまりに もったいない名曲だ。その後、何人かのメンバーが歌ったが、定着していない。最近は誰も歌わなくなってしまった。曲そのものも難しいし、奥山のイメージが強すぎて、恐らく新しい曲を歌う以上に難しいのではないかと思う。

 そして去る7月14日の《スーパージャム'96》。コンサートも終盤に入った頃、ゆっきぃ[井上裕紀子]がステージに立って、初めての曲を歌うと言った。そう、それが『ハーツ・ネバー・ライ』だった。静かに曲が始まる。そして、次第に盛り上がっていく曲の展開を、彼女は見事に歌いこなしてくれた。サビの部分では、奥山が歌っていた時の 感動が蘇ってくる思いだった。曲が終わってしばらく、私は放心状態になっていた。

 『ハーツ・ネバー・ライ』は、かなり歌唱力がないと歌えない難しい曲だ。やはり、今のメンバーだったら、ゆっきぃが歌うのが一番ふさわしいのではないかと思う。そして、彼女はその期待に見事に応えてくれた。私はゆっきぃファンだから、ひいき目に見てしまうのかも知れないけど、奥山の歌と比較しても、決して劣ってはいなかったと 思う。初めて歌ってあそこまでできるのだから、歌いこなせばもっとうまくなるに違いない。  最後に一言、井上裕紀子ちゃん、すばらしい歌をありがとう。

[論説委員■本間 寛 {3期生向上委員会・井上裕紀子部会長}


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