◇ コンサート レポート ◇

吉成圭子Presents! ワースト・ツアー'96 in Hiroshima

  at.広島市・南区民文化センター  1996/ 8/ 2(Fri) 18:30-


 最初に言っておく。
 「広島公演は、宮田直美のために開催された。」と言っても過言ではないほど、直美ちゃんの印象が強かった事を…。

 開場前に会場へ着き、FCチケットを受付で貰ってると開場になった。今日は3列目で見れる。過去も含めて最前列だ。“しでかす”アイテムも持ってきているし(^_^;、開演が待ち遠しかった。しかし、入場の長い列が出来ており、時間つぶしに お茶してた。すると、今爺が出てきて、握手会があるとの事を話している。慌てて駆け寄り、話を聞いてみる。IJRのキャンペーンらしく、CDを買った人のみ対象らしかった。その時点では握手会のメンバは不明で、中に入ってからのお楽しみという事になった。ついでに、大阪・名古屋公演でも握手会はあるのか? の確認をしてみたところ、大阪では今日の4名の裏が、名古屋では4人+4人で行うと教えてくれた。こんな事を聞いたがために、予定に入ってなかった“名古屋遠征”が、ほぼ決まりとなる(爆)。

 荷物チェックでサイリュームを没収されたが、とりあえず入場すると、先に入場していたお友達(笑)から、「裕紀子ちゃんが握手会に参加している」ことを聞かされる。ダッシュでメンバの前まで走っていくと、左から順に博子ちゃん,裕紀子ちゃん,美香ちゃん,ゆかりちゃん,中野さんの5名が並んでいた。メンバを確認していると、裕紀子ちゃんと目が合って、どちらからともなく頭を下げた。あたしの事を覚えてくれていたのだろうか?(^^)。おぉ、アイ・ コンタクト〜(笑)。
 そして、〈聴間テスト〉をまだ買っていなかった私は、そのアルバムを購入した。いつもだと、〈マッチ箱〉を1個選ぶと思うんだけど、今回は以前売られていた〈手形〉だった。前は、お金払って買ったのに(^_^;。ファイルの中に「当たり」があれば、生写真プレゼントという事らしかった。既に1つ持っているけど、同じ裕紀子ちゃんの手形を探す。が、ファイルが多くて その上バラバラ。結局見つけることが出来ず、他のメンバで妥協(^_^;。その手形の娘が、広島公演のヒロインになるとは、思ってもいなかった(笑)。

 いよいよ握手会。最初は博子ちゃん。4代目リーダーの事を訊いてみるが、笑顔でごまかされて終わり(^_^;。次に裕紀子ちゃん。7月28日の《電話でデート》のお礼を言ったが、余り覚えて無かったみたいで、そーとーショックを受ける(泣)。しかし、そーとー可愛い。そーとー納得。
 そして、美香ちゃん。GW公演では さんざん聴いたけど、地方では初めての「『ダンシング・セブンティーン』 歌います?」と訊いてみた。すると、いきなり はにかんでしまった。でもその顔がまた可愛い。これからは、いつも美香ちゃんを困らせてやろう(笑)。
 最後に、初めて握手するゆかりちゃん。最初に一礼をし、握手した。少し上目遣い加減で見つめる大きな目。吸い込まれそうになった。「遅くなったけど、誕生日おめでとう。」と言うと、「ありがとうございます。」と言ってくれたけど、もう歳の事に振れて欲しくない年頃かなぁとも思った。そんな事ないか(笑)。そのまま更に1歩進み、中野さんの前へ。握手しようと両手をだしたら、照れながら、右手を顔の前で左右に振り、「私はだめです」とか言っていた。
 中野さんって、結構“おちゃめ”だったんだと、新しい発見(笑)。

 CDの他にはビデオとか、地方公演パンフとかあったけど、予定外の名古屋遠征が現実味を帯びてきた今、そんな物買ってる余裕はない(笑)。サイリュームを没収された話を今爺にすると、受付の係員に「光り物OKなんですが…。」と言い、あたしたちのサイリュームを取り返してくれた。この時ほど、今爺が“仏様”に見えたことは無かった(笑)。
 ホールに入り、自分の席に着く。3列目だったんで、あまりホール全体の状況はわからない。握手会の余韻を楽しみながら、開演を待っていると、照明が落ち始めた。万が一の事を考えて、ホール内の“ダンス・アリーナ(爆)”の位置を確認しようと後ろを振り向くと、ナナナント(c)客がいない。ガラガラだったのだ…。キャパはMAXで300ぐらいかもしれないが、どう見積っても、150名入っていれば上等な感じだった。「おぃおぃ、こんな状況で始めるのかよぉ。」そんな事を考えていると、幕が上がった。

 ソロアルバムの影響だろうか、3曲続けてゆかりちゃんだった。『縁もゆかりも〜』が無かったのは残念だったが、どの曲もゆかりちゃんの独特の声で、決して喉の調子が良かった訳じゃ無かったそうだが、いつもと変わらぬ歌声を披露してくれた。
 やっと、メンバ紹介。いちばん最初が裕紀子ちゃんだった。「裕紀子ちゃ〜ん!」の声援は私の他にもあったのだが、最初ということでまとまりが無く、吉成さんを除いた7人の紹介の中では一番シンプルだったかもしれない。やっぱ(c)、1番って何かと損である(^_^;。しかし、吉成先輩はどうしたんだ? メンバ紹介にも出てこないなんて。

 続いて、新コーナー《直美の“チョベリバ〜”って感じぃの時間》。内容はゲストを招いて、最近の“チョベリバ”な出来事を紹介するといった感じ。いわゆる「女子高生言葉」って言うんですか? 最近では、そーとー頭悪い女子こーせーぐらいしか使ってないって話も聞きますが、直美ちゃんが発する「チョベリバって感じぃ」は、素晴らしすぎ。それも棒読みじゃなく、直美ちゃんも少々照れながら喋ってるのでそーとー可愛い。ここで、ゲストの吉成先輩が登場。不安が現実になり、制服姿ではなかった。未だに吉成先輩の制服姿って見た記憶がない。出来ることなら、浴衣におさげとかも見てみたいものだ(^_^;。

 このあと、ソロの曲が数曲続くのだが、どこの公演もこのあたりの曲は、吉成先輩と菜々ちゃんのアルバムからの選曲が多く、コンサートでしか聞けない曲ってのが少なかったのが残念だった。
 次のコーナーは《青春の悩みコーナー》ということで、相談相手に吉成先輩が登場した。このコーナーが始まる前から、「相談する相手を間違ってないかい?」と思ったのは私だけだろうか(笑)。案の定、強引に結論を導きだし、終わってしまった。いかにも吉成先輩らしぃと言うか、なんというか(^_^;。

 新曲の『青春』。背景は、ありふれた日常生活の1コマだろう。裕紀子ちゃんと美香ちゃんの2人は、良いコンビになるかも知れない。実に楽しそうに歌い、楽しそうに踊っている。当然見ている方も楽しくり、今後も歌い続けて欲しいと思う1曲。博子ちゃんと彩子で『恋したい』も歌われた。GW公演の影響だろうか、私の中ではこの曲のイメージは裕紀子ちゃんと彩子で固定されている。そのため、この曲自体も好きなんだが、ちょっとした違和感を感じながら聴いていた。

 続いて、吉成先輩とゆかりちゃんのコンビで3曲。まだまだ1期生が台頭していた頃を思わせる。『なかよし』では吉成先輩のプリティ・ボイスが良かった。また“似顔絵”プレゼントもあり、歌詞の合間にも書いていた。特徴のある書きやすいファンを探していたそうだ。そして、吉成先輩のソロが4曲続く。その4曲目が『明日への勇気』だったのだが、いつも前面に出て会場を盛り上げる連中(って誰ですか?)がいなかったためか、最初の「1,2,1234!」も無ければ「けいけいけいけい、圭子〜」も無く、信じられない(c)くらい静かだった。いつもだったら、ダンス・アリーナへ走り、コールはもちろん、呪術的な踊りまでやっていただろう。しかし、今そんな事をやってしまうと、浮いてしまうと思い、席で小さく踊っていた(笑)。

 いよいよ、後半へ突入。僅か150名前後で盛り上がったって、たかが知れてる。とは言え、前半は盛り上がりに欠けていた事は否定できない。しかし、定番曲となれば状況も変わってくる。『制服宣言』をボーカルの博子ちゃんを含め、5人で歌う。人数的にやや淋しさを感じるものの、サビの部分にさしかかると、ほとんどの客は右手を上げ、目当ての娘に合わせて振りを真似ている。やっと、エンジンがかかってきたように感じる。

宮田直美  そして、その時は訪れた。直美ちゃんがボーカルの『恋は数学』だ。先月のコンサートでは歌ったのかも知れないが、直美ちゃんのソロ・ボーカルはあまり記憶にない。もしかしたら、初めてかも知れない。曲が始まる。出だしの声が少々ビブラートしているように思えた。目が泳いでいるようにも見えた。よく聴くと、音程もかなり外れている。「緊張しているのだろうか? 大丈夫だろうか? 最後まで歌い通せるのだろうか?」。そんな事を思いながら、一生懸命歌っている直美ちゃんを見ていると、なんだか涙が出て来そうになった。

 まわりの席からも声が聞こえ、少しザワザワとしてきた。みんな、今の状況がどういった状況なのかを話しているようだった。それでも、直美ちゃんは歌っている。だんだん音も合ってきていた。「そうそう、その調子。ガンバレ!」心の中でそう呟いていた、その時。

「きらい〜〜では ないの〜に〜 プン! プン!プン!プン!プン!」

 いわゆる、“直美ヴァージョン”とでもいうのだろうか。何が起こったのか、一瞬理解できなかった。まわりのファンは声を上げ、既にこはれ(溶け)始めている。「やられたぁ〜」正直な感想だろう。あたしたちの心配はどこかへ行ってしまい、完全に無防備だったファンの脳天を直撃した。こんな武器を隠し持っていたとは。それも飛び道具である。防ぐ手だては無い。あまりに衝撃的だった。名古屋の夜の部でも歌われたが、「来るぞ!来るぞ!」と心の準備をして観るのとは訳が違う。可愛いとかそういったレベルの話ではなかった。後のMCで、「練習してても『プン!^5』のところが、笑ってしまって上手く歌えない。」と言っていた。笑い出すと止まらなくなってしまう、直美ちゃんのコトである。出だしの部分で声が震えていたように感じたのは、実は笑いを堪える為に必死だったからかもしれない。

 「プン!^5」で切れてしまったのか、美香ちゃんの『恋のインビテーション』あたりから、盛り上がってきた。客からのコールも入ってくるようになる。そして、この日2曲目の新曲『時の流れに』。曲のイメージはよく覚えてないのだが、いい感じの雰囲気だったと思う。振りがちょっと(タイミングが)難しいという感じで、今後の課題かもしれない。やっと『いつものように』が踊れるようになったのに、次から次へと新しい曲が発表される。これは、KAO先生の挑戦だ(笑)。今回は2,3期生の6名で歌われたが、今後どうなるかはわからない。私個人も気に入っているので、ぜひ歌い続けて欲しい。

 本編は『いつものように』、アンコールは『終章 =エピローグ=』で幕は閉じた。前半は選曲が偏っているように思え、後半の方が盛り上がったし、楽しかった。結局、今爺に取り返して貰ったサイリュームは使うことは無かった。構成上の問題もあるが、前半に誰でも盛り上がれるような曲があれば、それなりに早いうちに盛り上がっていたかも知れない。
 また、あれだけ好評だった『ダンシング・セブンティーン』が広島公演では無かったのが、ちょっと淋しい。

 帰りの新幹線の中、原稿を書くためにコンサート内容を思い出そうとするのだが、頭の中では『恋は数学』が無限ループ状態だった(笑)。

     直美ちゃん、あんたはえらい!

[文:論説委員■まる井, 写真:夢野 雫]



◇ コンサート レポート ◇

吉成圭子Presents! ワースト・ツアー'96 in Osaka

  at.近鉄小劇場  1996/ 8/ 3(Sat) 17:30-


 私が、近鉄小劇場に来るのは、7月20日の沢田聖子Live{
vol.8編集後記 参照}に続いて2度目である。客席内は、ダーク・ブルーで統一されていて落ち着きがあり、おもに小劇団の公演が多く催されているホールだ。
 座席は、やや柔らかめのプラスチック製で、長時間の観劇でも疲れないよう、後ろにバウンドして、ちょうどリクライニング・シートのような椅子になっている。しかし、この構造が、のちに悲劇を生むことになるとは…。

 17時31分、いきなり幕が開いて、コンサートがスタート。
 松田ゆかりchanが、10月発売のアルバムより『残り者には福がある』『さざ波』『ふたりの世界』の3曲を披露。そのMCで、「《ワースト・ツァー》ということで、アルバム(のレコーディングのメンバー)に入ってないけど、大阪に来ました。今回は、歌詞が全部パンフレットに書いてあるので、もし(私が歌詞を)忘れたら、教えてください。」と。相変わらず、ほのぼのと笑わせてくれますね、ゆかりchanは…。
 博子先生[本田博子]からメンバー紹介。「私たち 制服向上委員会は、元気な女の子20人のグループで…」。足元を見ると、みんなルーズ・ソックスを履いている。さすがは、現役の女子高生だ。しかし、いつも思うのだが、けーこたん[吉成圭子]は、メンバーの数に含まれているのか いないのか、よく判らないので、はっきりしてほしい。それは別にしても、20人というのは変だ。また、誰か辞めたのか? 不安がつのる。

 《直美の“チョベリバー”って感じぃのお時間》のコーナーは、ゆっきぃ[井上裕紀子]と みか[橋本美香]がゲスト。
 伊豆のスタジオに、レコーディングに行ったときの話だ。
 朝の5時まで起きていようと、花火をしたり、お風呂に入ったりしたあと、みかchanが4枚敷いた布団のうちの1枚が畳まれていた(みお[斉藤美緒子]の仕業)。暑かったので、ゆっきぃが廊下で扇風機の風に当たっていると、「それ終わったら、こっちに向けてね」と、みかchanが寝言を言ったらしい(本人は覚えていない)。布団が無いので、仕方なくテレビとテーブルの狭い隙間に寝たら、朝になって「やだ! ゆっきぃ。(どこに寝てるの!)」と、みんなに言われたそうだ。

 博子先生の歌った『私の幸せ』は、自分で作詞したとのこと。
 みかchanは声質が、ちゅわん[望月菜々]に似ているので、『Tea Time』のような可愛らしい曲がよく似合う。いつもニコニコ、美香スマイル。ちゅわん同様、きっと心の底から楽しんで歌っているに違いない。対照的なのが、みおchan。MCでの笑顔とは違い、『恋は雪のよう』を歌っている みおは、凜々しくカッコいい。こんなにいろんな表情が出来るなんて、女ってスゴイ…。

 けーこたんが司会の〈青春の悩みコーナー〉。「きょうは、若い娘になりきって、黄色のTシャツなんて着てみました」。しかも、ツー・テール。ただでさえ童顔のけーこたんが、余計に若く見えるゾ(笑)。
 相談に来たのは、菊地彩子chanと ゆっきぃの2人。
 「首の骨を鳴らすクセがあるんです」と、彩子chan。鳴らしていると、気持ちいいのだけれど、時々首が戻らなくなるそうだ。
 けーこたんの回答は、「自分で直し方を知ってるんだから、それでいい。自信を持って鳴らせ! そんなのは、悩みじゃない!」と(←ぜんぜん、答えになってないゾ)
 ゆっきぃは、「暑くないのに汗をかく」のが悩みらしい。けーこたんの出した解決策は、「汗をかかないためには、アルカリ・イオン水や、スポーツ・ドリンクを飲むといい」。これには、客席からブーイングの嵐。「合ってるんです!本で読みました! 私は正しいんです!」と必死の抵抗をする、けーこたん。あなたには、頭が上がりません(^^;;;。

 ゆっきぃ&みかの、『青春』。高校生らしい、楽しい歌詞の曲。なかなか いいコンビだ。
 次は、待ってました! けーこ&ゆかり のコンビ。
 『恋はハイウェイ・ドライブ』を、楽しそうに歌うふたりは、どう見ても二十歳過ぎには見えない…。『蒼い天使の糸』は、ゆかりchanが歌っている間に、けーこたんが、お客さんの似顔絵を書いている(2番は、その逆)
 『シンガー』では、ふたりして同時に歌詞を忘れて、顔を見合わせるシーンも…。
 次は、〈ゆかりの夏の思い出コーナー〉。お客は、博子,彩子,直美の3人。
 「この間、2期生の5人で、多摩川へ花火大会を見物に行ったんですけど、そのとき、変な酔っぱらいのおじさんがいて、私達のほうへ寄ってきたんですよ。でも、めぐ[久保 愛]のおかげで、勝ったんだよね」と、博子先生。
 みみchanは、「きのう、広島で食べたお好み焼きが美味しかった」こと。
 彩子chanは、「{田舎に帰ったとき(←だったのでしょうか,記憶不鮮明でゴメンなさい)に、}トンボが指に止まったんです。そんなのは、マンガの世界だけかと思ってましたが、とても嬉しくて。みんなよくやるように、指をグルグル回して…。」でも、トンボのあの眼は嫌いなんだそうです。

 コーナーが終わって、みお&みみのMC。

   みお「この2日間、広島でお好み焼き、大阪ではたこ焼き{お店を5軒も
      廻ったそうです(^^;;;}を食べすぎちゃって…。」
         (CDリリース告知のとき、ふたりとも笑いが止まらない。)
   みみ「きのうも、同じ部屋だったんだよNe、みおchan」
   みお「そう、ベットに入ってきて…。」(以下自粛)

 菜々&なみ子,ちぁきの次は、このふたりがアブナイかも知れない!?

 ベテラン・けーこたんの歌は、『キュンとする』『明日への勇気』など、4曲。
 そのあとの、彩子&ゆっきぃのMC。彩子chanが、「背筋を伸ばし、椅子に浅めに掛けて、フワッとうしろに倒れるようにしてみてください。」 従順にしたがう客。しかし、みんな天井を向いてしまい、「もう一度」やってみたその 瞬間、案の定「バキッ!!」と 大きな音がした。前を見ると、最前列〔A-14〕のシートの背もたれが、根元から折れていた。休憩中に、椅子で遊んでて面白かったので、客をリラックスさせるつもりで言ったのだろうけど、それがアダとなってしまった。(あとで、そーとー怒られただろうなぁ、このふたり…)
 博子節の『制服宣言』。みんな、長袖のブラウスを着ている。暑くないのだろうか?『ダンシング・セブンティーン』は、大阪のお客さんも絶好調! バックダンサーとして、直美,博子,裕紀子の3人が踊っているが、手にはマイクの代わりにペンライト。心憎い演出だ。
 『口笛』は、広川瑛子chanみたいに、高い声で歌うのが特徴(←辛いだろうなぁ)。間奏の振り付けで、90度づつ 向きを変えて踊る、ゆっきぃの笑顔が忘れられない。{帰りの電車で、頭の中でずっと、このメロディが回ってた(^^;。}
 今回のツァーでお披露目の『時の流れに(←曲紹介では、『風の流れに』と言っていたが、これが正解)』。曲調は、『いつものように』を、さらにテンポ・アップした感じというところか。
 ラストの3曲『縁もゆかりのロックンロール』『涙のエンブレム』『いつものように』は、ゆかりchanのボーカル。周りがみんな、年下ばかりになってしまったが、まだまだ現役のゆかりchan。できれば、10年後(笑)まで頑張って欲しい。

 アンコールは、『笑顔がスキッ!』。「まさか、こんな所(大阪)で?」と思ったが、客席の2か所で“花”が咲いていた(笑)。『同世代の少女たちへ』も、ゆかりchanが歌う。ここまで、ナナナント(c)5曲連続だ(すごいっ!)。
 楽しかった大阪公演も、とうとう、『終章 =エピローグ=』を迎える。ステージ上には、みんなに混じって、珍しくけーこたんも立っている。で、そのけーこたんだけが、なぜかマイクを持っていない。数が足りなかったのか? ビデオ〈活動日誌〉のリハーサル風景みたいに、雑誌を丸めて持つとか、(おちゃめに)ペロペロ・キャンディーを手にして出てくれば、面白かったりして…。
 こんなに楽しいステージなのに、(自分は)名古屋に行けないのがとても残念だ。

<P.S.> 破壊された(笑)〔A-14〕のシートが、その後どうなったのか気になったので、8月23日の南青山少女歌劇団・夏公演《輝く瞬間(とき)を止めないでII -Girls-》に行ってきました。
 後ろのドアから入り、通路を前に向かって歩いていく。G,F,E,D,…げっ! 問題のシートが無い!!
 実は、今回のミュージカルでは、ローラーブレードを履いて演じる場面があり、ステージを拡げるためにA,B,Cの3列の座席が取り外されてたのです。なお、外されたシートが、階段下のスタッフ用通路に置いてあったので、〔A-14〕のシートがどうなったのかは確認することができませんでした。(おそらく、予備のシートと交換されたものと思います。)

<P.S.の P.S.> ピザ屋の店員役で出てた、「おしり、ぺーんぺん!(笑)」の篠原有加chan (中3)は、とってもカワユイです(^^;;;。

[副編集長■しろくま☆しゃしょう]



◇ コンサート レポート ◇

吉成圭子Presents! ワースト・ツアー'96 in Nagoya

  at.クラブ・ダイヤモンド・ホール
    1996/ 8/ 4(Sun) 14:00-[昼の部],17:30-[夜の部]


 名古屋で一番印象に残ったのは、会場スタッフ約1名の“チョベリバ”な態度だ…、というのは置いといて、このツアーは、二期生が博子ちゃんしか来ないという、異例なメンバー構成となった。《ワースト・ツアー》だから、「いつもとは違った…」とはいうものの、かなり戦略的なやり方ではないだろうか。

 進行は、ゆかりちゃんのソロ,〈直美のチョベリバ〜って感じ〉,ソロコーナー,〈青春の悩みコーナー〉,三期生,吉成&ゆかりデュオ,〈ゆかりの夏の思い出コーナー〉,吉成ソロ,全員、といった感じ。全体的に三期生、それも[SKi-P]のメンバーを主体にしているようだ。

 ツアーを振り返ってみて、特に印象に残ったことは、何と言っても「ぷん!ぷん!ぷん!ぷん!」だろう(笑)。『恋は数学』を直美ちゃんが歌ったとき、サビ前の「ぷん」がそうなっていたのだ。「春は」や「恋も」の部分で、不自然なメロディの変え方があっただけに、あまりにインパクトが大きかった。そういえば昨年のツアーでは、智子ちゃんの『小さな生命』がもっぱらの話題だったことを思い出す。あれから、もう1年経つんだなぁ…。

 『ダンシング・セブンティーン』では、応援団として 直美ちゃん,博子ちゃん,裕紀子ちゃんが、後ろで踊っている。それも、サイリュームを持って(笑)。明るいところでは、あまり目立たないんだけどね。新曲『時の流れに』は、また踊りが複雑(^^;。
 吉成さんが、SKiのコンサートに出るのも珍しい。『雨の記憶』や『キュンとする』を聴くと、本当に“やる気がない”のか? というぐらい、素晴らしい歌を聴かせてくれる。しかし、私服のままでSKiに混じると、かなりの違和感があった。

 名古屋公演で特筆すべきことは、夜の部で『渚に消えた初恋』が歌われたことだろうか。アンコールに、吉成さんとゆかりちゃんの二人で。てっきり、後ろにポンポン隊がつくのかと思ったら、全然違った。私はB列に座っていたのだが、気がつくと『終章』では立っている人も多かった。かなりの盛り上がりという意味では、一昨年暮れのクアトロが思い出される。この時はオール・スタンディングで、『エメラルドの伝説』では間奏で走る客まで出た(笑)。

 当初、「〈ワースト〉のオケだったら嫌だな」という意見もあったが、さすがにそれはなかった。しかし、コンサートは楽しくても、一推しのメンバーが出ていないと結構つらいものがある。そういう意味では、《ワースト・ツアー》だったのかも知れない。でも、私は首都圏在住で毎月行ける環境にあるから、まだ幸せだと思わねばならないのだ。

[論説委員■夢野 雫]


vol.9目次