◆ コンサート レポート ◆

第79回制服の日
制服向上委員会・90分体験コンサート(2) 〜これもSKiだ!〜

  at.こまばエミナース  1996/ 9/23(Sun) 12:30-


 前日は台風の中でも行われ、今度は朝からコンサートだ。《体験コンサート(1) 〜これがSKiだ〜》では、てっきりSKiの代表曲をやるものと思っていたら、カバー曲ばかりで構成されていた。これはこれで、とても良かったのだが、「話が違う」って気もする(笑)。続く《体験コンサート(2) 〜これもSKiだ〜》は、ユニットばかりの構成であった。こちらは納得。

 幕が開くと、最初は [静寂向上委員会] のステージである。制服が新しい、と思ったらメンバーも変わっていた。三期生の4人が新三期生の陽子ちゃん、幸香ちゃん、さらに8月に入った杉本梨奈ちゃん、山内麻里子ちゃんとなっているのだ。二期生と新三期生、なかなかいい組み合わせなのかもしれない。リーダーの智子ちゃん、静寂の制服を着ると一層可愛く見えるのは、なぜなんだろう? 白いベレー帽もポイントだと思う。しかし、相変わらず新曲がなくて残念。それでも、「清新な」ものを感じるのは、楽曲、振りつけともに優れているからであろう。最近のSKiが忘れてしまったものが静寂向上委員会に息づいている、と感じるのは私だけだろうか?

 続いて、YUCK'ER-LEE、そしてSKi-P。SKi-Pも、結成されてそろそろ1年になる。やはり新曲がないのが寂しい。
 4番目は、ばちあたりプッツンガール。8月の《真夏の祭典vol.4》で既に披露されているものの、私は名古屋へ行っていたために、見ることができなかった。ひさりんと瑛子ちゃんのコンビ。『ばちあたりプッツンガールのテーマ』では、大笑いするところがあるが、ひさりんのイメージとはやはり違う。『なまけもの』という新曲が発表された。なんとなく、だらだらした雰囲気は出ていたように思う。
 次は、4人1組。最近はちょっと地味な感じもするが、王道を行くユニットとして頑張って欲しい。オーソドックスな楽曲の魅力もあるのだし。5曲歌って、これは最多なのだ。衣装は、久しぶりにあのセーターで登場。なんか懐かしい気もする。ところで、私の周りでは絵美ちゃんに注目している人が多い。これからどう変わっていくのか、楽しみということのようだ。

 アラビアンナイト風の衣装が印象的な [ワースト]。早くも、新曲『Hey,Amigo!』が登場。果たして、ユニット名が意味するものはあるのか? イマイチよく分からないところではある。単調な振りつけが、妙に印象に残る。
 [Hellow] といえば、《アイドル・サマー・カーニバル》で初めてお目見えすることになっていた3人組なのだが、ふたを開けてみると、実は“ダンシング・セブンティーン トリオ”だったという。今回は、バレリーナ風の白いフリフリの衣装がとってもいい。美香ちゃんによくお似合いだ。ストロン(ストレート・ロング)との組み合わせも抜群。

 さぁ、これでトリは寿隊か? と思いきや、ナナナント(c)、智子ちゃんのソロであった。『恋するふたり』『うたかたの夢』の2曲。なみ子ちゃんが辞めて、ゆかりちゃんの次に古いメンバーとなってしまったわけだが、これからも気負わず、のびのびとやって欲しいと思う。人には、それぞれ特質というものがあるのだから…。

 これで本編はおしまい。時間がないので、すぐにアンコールへ。寿隊だ。たまには踊らずにじっくり見るのもいい。白い人が最前で踊っていたのが面白かった(笑)。新しい [寿隊]、菜々ちゃん時代をよく知る者にとっては、コピー・バンドのように感じてしまう。もう、やるべきことはかなりやり尽くしてしまった、そんな気もする。トータルのイメージよりも、個々のメンバーの個性を楽しむのがいいのかもしれない。

 このように、約110分のコンサートでSKiのほとんどのユニットを観賞するこるができた。本来、ユニットというものは「課外活動」的な存在なのだろうが、SKi本体とあまり変わらない位置にいると言えるかもしれない。しかし、これだけの数があっても「混沌」とした状況にはあまり見えない。同じグループがやっているのだから、と言ってしまえばそれまでだが、ゆかりちゃんのソロライブにせよ、「制服向上委員会のあるべき姿」などを考えるのは、ある意味ナンセンスなのだろう。

 ただ、どこに力点が置かれようと、「美しさ」だけは忘れて欲しくない。とても抽象的だけど…。

[論説委員■夢野 雫]


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