Want You!
「また、逢う日まで…。」


 広川瑛子  Eiko Hirokawa 


《夢の永遠》
広川瑛子
 「私の声を忘れないでください」。瑛子ちゃんが、初めてSKiのステージに立った時、最後にこう言った。忘れようにも忘れられない個性的な声。それが第一印象である。
 やがて、〈公開生徒総会〉の議長を務めるようになった。なかなか良い調子でまとめていく。
 終わりには、締めの言葉。それは、どこかの文献から引用してきたと思われる文章で構成されていた。「もっと、自分の言葉で語ってくれればいいのに…」そう感じた。でも、瑛子ちゃんにとっては、それこそが“自己主張”だったのかなと、今となっては思わされる。十代のうちにいろいろなことを考えるのは、将来きっと役に立つはずだよ。

 瑛子ちゃんの特技として、ピアノを忘れてはならないだろう。昨年3月の公演で演奏した、ベートーヴェン『月光』の第3楽章。そこには、優等生的ではなく自分の表現といったものを感じ取ることができ、感心してしまった。もちろん、完成度云々を言い出したらきりがないが、意欲を評価したい。

 今、大検に向けて勉強中とのこと。やむをえずSKiから離れるとしても、夢に向かって進んでいる姿は実にうらやましい。自分のあの頃を回想すると…、意志だけではどうにもならないことってあるのだ。そういった環境の上で、悔いのない生活を送って欲しい。そして、思いやりのある女性として、活躍してください。

[文:論説委員■夢野 雫, 写真:愛知県/永野英樹]



《広川瑛子 〜卒業〜》

 1995年の《真夏の祭典》で、“衝撃的なデビュー”を果たした瑛子ちゃん。
 当時はまだ、名前が決まってなくて[A子]でしたね。まさか、そのまま[えいこ]になるとは、「さすが、コミティ!」と大笑いしたものでした。
 今でも、あの日の事はよく覚えています。まだまだSKi“初心者”の頃なんだけどね…。顔も名前も一致しない頃にデビューした3期生たち。だけど、瑛子ちゃんだけは鮮明に覚えているよ。覚えているって言うより、「忘れられない」って言った方が正しいのかな?(笑) マイクを持ち、言葉を発したその瞬間、会場のどよめきは凄かったね…。
 それ以来、瑛子ちゃんっていうと、その“プリティーな声”が頭の中をこだまします(笑)。3期生紹介の最後で、「観客のみなさんに一言ある方は、手を挙げて下さい」って時に、会場からの声援に応えて「応援して下さいね!」って言ったのも 覚えているよ。今までのSKiに見られないキャラクターだったので、今後の活躍も期待していたんですけどね。

 学校と揉め、いつの間にか高校を辞めてしまいましたよね{本誌vol.3参照(ペーパー版のみ)}。学校を辞めてまで「芸能活動をやりたい!」っていう、その真剣さにびっくりしました。でも、それって、何事にも真っ直ぐ一生懸命に取り組む瑛子ちゃんの姿勢だったんですよね…。

 ある日、瑛子ちゃんの大ファンさんから聞きました。「薬剤師になるために勉強している」んだって? さらに、大学に行くため、大検に備えて「予備校で勉強している」とも聞きました。お仕事だけでなく、自分自身の夢に対しても一生懸命で、両立して頑張っていると聞いて、瑛子ちゃんには是非、ステージで活躍して欲しいと思いました。
 そして、「ワースト]の結成。いよいよ、“瑛子ちゃんの時代が来たっ!”と一部では大騒ぎでした(笑)。

 しかし、先月のV会報にはファンを驚かせる発言が…。
 秋以来、ステージに上がってこない瑛子ちゃん。「勉強に集中したいので、しばらくお休みします。」みたいな事を聞いていたので、「落ち着いたら、またステージで歌ってね」なんて思って安心していたのに…。
 何に対しても一生懸命な瑛子ちゃん。高校を辞めてまでSKiを選んだ、瑛子ちゃん。そんな瑛子ちゃんが「辞める」って聞いたときには、驚きました。卒業式以後、ステージで瑛子ちゃんの歌を聴けないのは残念だけど、瑛子ちゃんの新しい出発を笑顔で送り出してあげたいと思います。

 昨年の夏から、1年と半年…。この時間は長かったですか? 短かったですか?
 楽しい時間は、あっという間に過ぎ去ってしまいます。ファンの方々には短く感じるかも知れませんね。
 瑛子ちゃんは、どうですか? 楽しかったですか? きっと、瑛子ちゃんなら、はにかんだ笑顔で「はやかったですよぉ〜」と言ってくれるんでしょうね。そう言ってくれることを信じているよ。
 これからは、制服向上委員会を離れて一人になっちゃうね。瑛子ちゃんの笑顔が、「心の支え」になっている人もいます。僕たちファンの心の中に、いつも瑛子ちゃんが居るように、瑛子ちゃんも僕たちファンの事を忘れないで、くじけそうなときには思い出してね…。
 それから、最後になっちゃったけど、1年半お疲れさまでした。今までSKiで学んだ事を、これからの生活に生かして、夢に向かって頑張ってくださいね。

 さようなら…。

[論説委員■まる井]



●広川瑛子さんへのメッセージ

 瑛子ちゃんが初めてステージに立ったとき、“インパクトの強い子”だなぁと、僕自身そんな印象を受けました。楽しい思い出をいっぱいくれて、ありがとう。
 次に会うときは、どんな瑛子ちゃんになっているのかな? また、会いましょう。

[愛知県/杉浦嘉信]

 正直言って、あなたがこの選択をしたことに、私は今でも、戸惑いと驚きの気持ちを隠せません。それは、3期生の中で、あなたが一番[制服向上委員会]という存在を真摯に受け止めて活動してきたように思うからです。
 〈公開生徒総会〉で言う意見を、いつも夜遅くまで考えたという話。6月の《スポーツ大会》で、「暑いのに、(瑛子ちゃんは)元気ですねぇ」と話しかけたファンに、笑いながら「元気なほうが、楽しいじゃないですか」と答えた話…。
 いゃ、逆に何にでも一生懸命だったあなただったからこそ、自分の私生活にもキッチリとけじめをつけなければならないと考え、あえて今、ステージを離れる決心をしたのでしょうね。いかにも、[え〜こ]らしいじゃないですか。
 末は声優か、はたまた薬剤師か女医か…。将来への“たくさんの夢”、どれか一つでも叶うことを祈っています。

 「ありがとう…」。

[大阪府/Be-Wave]

 「初志貫徹」。
 僕は、瑛子ちゃんにこの言葉を贈りたい。この言葉は、僕が一番好きな言葉で、自分で決めたことを絶対に途中で投げ出さずに、この気持ちを貫き通せば、必ず努力は実るものです。
 卒業してしまうのはとても辛いけど、瑛子ちゃんもこの言葉を忘れずに、声優への道を歩んでくれたら僕は本当に嬉しいし、今後も陰ながら応援していきたいと思う。
 「いろいろな思い出を、本当にありがとう。この思い出は一生忘れない。」

[京都府/竹ちゃん]


97年2月号目次