◆ コンサート レポート ◆

 第92回制服の日 禁断のSKi -戦争と平和への君だけの道-

  at.こまばエミナース  1997/ 1/12(Sun) 17:30-


 久しぶりに〔こまばエミナース〕へ戻ってのコンサート、2日目の夜は《禁断のSKi》という意味深なタイトルがついている。出演者は、吉成圭子,松田ゆかり,篠原智子となっているが、本当に3人でやるのだろうか? 幕が上がるまで、とても疑問に思っていた。
 開演時間直前になってから入場。ロビーで〈おしゃれ〉最新号を購入する。なんでも、売り場であの『マスターヨーロッパ』の客バージョン(替え歌)『マスターエミナース』が歌われたらしぃ(笑)、また、聞き損なってしまった。私も、「ひのえうま」生まれということで、登場しているらしぃのだが…(爆)。

 席に着く。B列7番。少し端だが、十分だろう。やがて客電が落ち、『月の輝く夜に』のイントロが静かに流れてくる。
 まずは智子ちゃんがソロで歌いながら登場。ナナナント(c)、ウェディングドレス姿だ。思わず息を飲むほどに美しく、かわいい。続いて、ゆかりちゃんも…。
 3人目は吉成さん。ところが、すべての期待を裏切り、手品師のようなタキシードであった(苦笑)。ウェディングドレスが嫌だったので、換えてもらったという。さすがだ。
 今回は、SKiやメンバーのことを一切、口にしてはいけない。だから《禁断のSKi》。罰ゲームも待っている。最初に引っ掛かったのは智子ちゃん。旅行の話で、つい[みーつー]と言ってしまった(笑)。ここで直美ちゃんが、箱を持って登場。1stアルバム『愛と勇気と思いやり』の頃のポスターが丸めて20個入っている。智子ちゃんが引いたものは、「ファンの人に愛を告白する」。恥ずかしがり、困っているうちに、吉成さんが客を選ぶことになった。そりゃ、智子ちゃんとしては選びにくいだろう。選ばれた人が智子ちゃんの前に立つ。「○○さん、好きです」。この、幸せ者!(笑)

篠原智子  歌われる曲は、前半は比較的おとなしめのソロが中心。
 智子ちゃんの『バージンリップス』、ゆかりちゃんの『ふたりの世界』、吉成さんの『雨の記憶』など。なかなか落ち着いた雰囲気でいい。中盤では『恋はハイウェイ・ドライブ』など、デュエットも。後半は、『わ・た・し』『残り者には福がある』といった曲も登場する中、またしても智子ちゃんの新曲だ。『天使のアイス』。3月9日のソロコンサートに向けて、着々と持ち歌が増えている。

 MCでは、「自分から見た他の二人」というのが興味深かった。人間、自分がどう見られているのかは、気になるものだろう。
 そして、「今後の抱負は?」と尋ねられた智子ちゃんは「ジョイント・コンサートをやりたい」。吉成さん「あおいちゃんと?」 前日のコンサートで、そんなことを言っていたのであった。「二人並んだら、強烈だよねぇー」 いったい、どういう風に強烈だというのだろうか(笑)。

 コンサートも終盤になると、ようやく3人での歌。といっても、メインヴォーカルとダンスといった形だ。『恋するふたり』『SOMETHING』『君だけの道』と続く。さらにアンコールでは、『ティッシャー』『うたかたの夢』『明日への勇気』と、いやがうえにも盛り上がる。でも、そこで終わらないところが、このコンサートのミソ。『恋』が始まる。少し大人の女性、そんなところがポイントなのではないだろうか。

 ところで、出演した3人は、いずれも背が小さく、“実際の歳より若く見える”ことが共通点として挙げられる。アシスタントの直美ちゃんまでもが、そうだ。こうして堂々とステージが出来るというのに、ギャップ感とでも言うのだろうか。不思議な感覚だ。
 でも、それがまたSKiなのである…。
[文・写真とも:論説委員■夢野 雫]


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