◇ コンサート レポート ◇

 篠原智子 バースデイ・コンサート -Happy smile, Lovely tomoko's day-

  at.新宿・安田生命ホール  1997/ 3/ 9(Sun) 14:30-


篠原智子  前日は、なかなか眠れなかった。ここまでの道のりは、ずいぶん長いように思われた。
 しの[篠原智子]にとって、こういうコンサートは、久しぶりだから…。
 開場してすぐに、グッズ売場へ。SKiではやらなかった、フルセット購入とFC入会手続き(半年分)をするためだ。以前から決めていたことだから、ためらいは全く無かった。
 会場は、クラシックも行なわれるほどのホールだから、かなり落ち着いた雰囲気。
 集まった客は、推定280人ほど。関係者席がかなりあったが、ほとんどがら空き(泣)。

 最初はピエロスタイルで、SKiでおなじみのカバー曲を歌う。
 衣装チェンジの時のMC(テープ)では、子供のころの思い出を話す。舌を切っちゃったり、ブレーキのない自転車で坂道を降りて壁にぶつかったり、お稽古事をさぼって途中で帰ったりと、とにかくお母さんを心配させる子だったという。
 次はミッシェルの制服(?)で、『恋の行方』『降りしきる雨』『ラストソング』『恋のエンジェル』の4曲。ミッシェル姿のしのは、確かにカッコ良かったけど、同時にほ微笑ましくもあった。『降りしきる雨』は、とくに良かったかなって思う。MCは、家族の話。父・姉・妹は料理派、しのと母は洋裁派で、ロッキーは食べる派(笑)だそうだ…。このへんは、かなり前のP会報にも載っているので、みなさんご存じだろう。
 そのあとは、薄茶に赤模様のワンピースで4曲。『バージンリップス』は、私は初めて聞いた曲で、何の曲だか分からないうちに終わってしまった。まだまだ聞いたことのない歌が結構あるので、その発掘もお願いしたいですね。

 次のMCは、SKiに入ったきっかけとオーディションの話。
 そして、黄色のスプリングコートを着て、『恋の占い』『涙がとまらない』『思い出は色エンピツで』を歌う。『思い出は 色エンピツで』では、ソフトクリームを持ちながら、「私はいつも、アイスを食べながら日記を書いている」そうな…(笑)。
 私は、『涙がとまらない』が気に入ってます。
 MCで、初めてステージに立った時の感想と、一,二,三期生の印象を語る。その時の一期生は、“芸能人”という感じだったそうな。※1
二期生は、最初6人いたのにどんどん減っちゃって、ついには私一人になってしまった。すぐに新二期生が入ってきてよかったと言う。三期生は、私より大人っぽくて実力があるので、「がんばらなくちゃ」と思ったそうです。
 このあとは、ふだんひとりでは歌わないSKiナンバーを歌う。『青春ラプソディ』は、一時期智子ちゃんがボーカルを取っていたことがあるから、なつかしい気持ちになる。智子ちゃんが走りだす振りなんか、「くぅ〜!」ですね(笑)。『傷だらけの青春』は、やっぱり智子ちゃんじゃないと…って思ってしまった。でもまさか、『同級生』『峠の我が家』『大きな古時計』 まで歌うとは思わなかった。
 次のMCでは、高校時代を振り返っている。SKiに入ったことで、他の人にできないことをやれたと思うと話していた。短大に入ったのは、「SKiに残りたかったから」だという。彼女のお母さんは、「学生でいるうちは、SKiにいてもいいよ」といってたそうだが、これから智子ちゃんがソロで活動していくことを、どう思っているのだろうか。

 衣装がしろくまルック(笑)になって、静寂向上委員会ナンバーを歌う。この姿は、「エスキモーの少女」という感じでかわいい。ちょっとオーバーめな、レッグウォーマーもいい。『燃えない心』は、初めて歌ったという。静寂の時は、みーつー[松本美雪]が歌ってたからね。私としては、『愛は蒼く』を歌ってくれたのはとても嬉しかった。よく見ると、ほかのメンバーの振りをしている人たちも見かけた。そのあとのMCでは、静寂の歌は好きなんだけど、前の滝本さんのイメージが強くてずっと悩んでいたという。で、悩んだ末に結局、私のままでいこうと決めたそうだ。
 次は、吉成さんナンバーから3曲。『蒼い天使の糸』『わ・た・し』『君だけの道』と、いずれも歌ったことがあまりないナンバーだった。
 そのあとのMCでは、SKi卒業について。今でも事務所でみんなと逢ったりしているから、悲しいとは思わないけれど、もうみんなと歌ったり踊ったりできないんだなと思うと(卒業した)実感がわくという。最後は、今までずっと歌って きたオリジナル曲で締めくくる。でも『うたかたの夢』では、いつもの盛り上がりが見られなかった。
 アンコールは、『冷たい風と朝日の中で』『Air mail』『キャンパスのある街』『天使のアイス』の4曲。本編が、「いままでの篠原智子」を振り返る形ならば、このアンコールでは、“これからの篠原智子”を予感させるようだ。そのままウェディングドレスでも通用しそうなドレスに身を包んだ智子ちゃんは、とてもきれいに感じられた。
 このコンサートでは、いつも以上に真剣に聞いていた。だから、声援はいつもより少なかったと思う。もしかしたら、智子ちゃんもとまどい(c)があったかも知れない。
 ただ、周りの人の声を聞いてみると、「よかった」「たくさん聞けて満足」という声が多かった。私の方が肩の力入れ過ぎてたかなと思うと、智子ちゃんに申し訳ない。でも、私にとっての[篠原智子]がこれから始まる、という実感は沸いてきていた。

[文:東京都/ホーカー・テンペスト, 写真:夢野 雫]

※1 旧二期生のこと。智子ちゃんの他、田村千秋,浅野みゆき,水野亜美,清水えりか,鈴木涼子 がいた。



◇ コンサート レポート ◇

 篠原智子 オフィシャルFC結成式 智★しのアイス -Angeli Cheruhim Ice-

  at.新宿・安田生命ホール  1997/ 3/ 9(Sun) 17:40-


 バースディコンサートが終わって、すぐ開場。いつも(のSKiコンサート)と同じ慌ただしさだ。
 最初のコーナーは、抽選で選んだファンをステージに上げて、「どんなファンクラブ(FC)にしたいですか?」と智子ちゃんがインタビューする、〔智子の部屋へようこそ〕。3組6人が上がったが、みんな緊張していて意見があまり出なかった。
 結局、「バスツアーをやってほしい」、「智子ちゃんといっしょに遊べる企画が欲しい」といったものだった。このへんは、他のアイドルのFCとさほど変わりない。智子ちゃんのスケジュール次第でどうなるか分からないが、できる限り実現して欲しいものだ。
 次もやはり、抽選で選んだファンをステージに上げて、FC〈※2
智・しのアイス〉結成宣言を読んでもらうというもの。
 しかし、「生活を壊してもくじけません」とか、「歌の途中でいなくなっても、駅までついていきます」とか、洒落になってないわ、ほんとに…(笑)。

 ゲームコーナー。最後まで残った人は、智子ちゃんとツーショット・ポラを撮れるのだけど、これは盛り上がりが今ひとつ。私もチャンスはあったけど、「歌を歌ってください」というのはどうしても苦手で、辞退した(ごめんね、智子ちゃん)
 そのあとは、歌のコーナー。MCは曲紹介で終わったので、時間が早く感じられた。吉成圭子ナンバーは、何回か聞いているので、安心して聞いていられる。私は、『雨の記憶』が智子ちゃんの声に合ってて、好きである。
 それと、『約束』は智子ちゃんが初めてソロで歌った歌で、思い出深い。もっとも、私はその時のコンサートにはいなくて(3年前の、二期生委員会のコーナー)、あとでビデオからテープに落として(録音して)何度も聞いていたものである。
 あと、びっくりしたのが、ゆっきぃナンバーである『初恋にサヨウナラ』を歌ったこと。そして、それが智子ちゃんにあっていたのも驚きだった。ただ、時期を失ったかなという感じは否めない。去年、こういう曲があったらもっと良かったのにと思った。

 後半のオリジナル曲では、『さよならへの旅立ち』が気に入っています。いずれ、ビデオが出たときに収録してあると嬉しいのだが…。あと、『うたかたの夢』はいつもの盛り上がりが戻っていました。イントロ時の、「そらのか〜なた、たったひ〜とつ…」というコールもすっかり溶け込んでしまっていて、ないほうが寂しいくらいだ(笑)。ちなみに、知らない方へ解説すると、これは光GENJIの『剣の舞』の一番最後の歌詞部分です。この曲を聞いた時に、思わず笑ってしまいそう。

 アンコールは、『さよならは出逢いの明日へのしるし』『恋のインビテーション』『恋』の3曲。『恋の〜』というのは、驚いてしまった。これも、歌いたかった曲なのだろうか? さすがに疲れが出たのか、歌詞を忘れたりしていたが、あまり気にならなかった。1月12日《禁断のSKi》公演でも、『恋』が最後に歌われていた。「心を静めて終わらせよう」ということなのだろうか…。
 智子ちゃんは、確かに成長していた。2ステージで、実に53曲も歌ってくれた。果たして、楽しく歌えただろうか。でも、これだけたくさんの歌を歌い切ったことは、きっと大きな自信になってくれるだろうと思う。次に、こういうコンサートがあるかどうかわからないけど、その時にはまた違った智子ちゃんが見れるだろうし、オリジナル曲も増えていることだろう。
 ただ、その時までに私も成長しなきゃならないな。まったく…。

[東京都/ホーカー・テンペスト]

※2 智・し =「ちてんし」と読む。「智天使」とは、「(普通の)天使よりも賢い天使」を指す言葉だそうだ。


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