ハッ!Train

 渋谷十一景

白い制服見送るために、渋谷の街に年一度“だめなひと”集う、二月九日日曜日。
この日ばかりは、だらけ気分の私も、なぜか背中に力が入る。

「生涯 こまばエミナース」を高らかに宣言した、オープニングナンバーに圧倒される。
このプレセンスが続く限り、SKiは不滅。

『青春ラプソディ』をソロで歌う小林久子。
バックコーラスにはえーこ[広川瑛子]と、ひさりん最高の相棒であったりょんりょん[片桐陵子]の姿。
その光景は、後ろからやさしく肩を抱きながら、「ひさりん、私たちがいなくなっても頑張って!」と、無言のうちに励ましているかのよう。
その励ましに支えられて歌う久子嬢、見ていて何か一回り成長したというか、たくましくなったように見えた。

『Something』歌うユッカリー、圧巻の一言。おかげで、次に『De'Light』歌った(菊地)彩子が、すっかり霞んでしも〜た。とは言え、その存在感と客席へと振りまくナチュラルな色っぽさは、SKi随一のシロモノなり。この私、あぁ、この瞬間のために生きている。

「ボーカリスト・井上裕紀子ここにあり」を、観客どもに見せつけた、『涙が消えるまで』。
その反面、『Hearts Never Lie』はバックのオケが大きすぎて、せっかくのゆっきぃの張りのある声が台無し。
スタッフは要反省!しかし、『涙が〜』で観客をうっとりさせた後で、「♪ いつでも、最中は最高〜」はないんじゃないの。>ゆっきぃ

同じように株が上がった、斉藤美緒子サマー!『未熟な時間』にて、「サイトーミオコサマー!」を連発していた、お客サマー!(何なんだ) 可笑しかったのと同時に、その掛け声がとても彼女に似合っていたのが、なかなか面白きかな。
かつての青山れいと同じく、「オネェサマ〜、いぢめて!いぢめて!」的な雰囲気が、彼女にはありますからねぇ(爆)。
『未熟な時間』のバックに、6人つけての堂々とした歌いっぷりには十分納得。

何といっても卑怯(笑)なのは、宮田“ちょべりばぁ〜!”直美。
新曲『Good-Day』。ステージをルンルン気分(←超死語)で、こいつを歌う宮田直美のを目の当たりにした直美ファンは、あまりの可愛らしさにその場で卒倒してしまったであろう。
さほど、宮田を推していない私でさえ、グッと来るものがあったのだから…。

ヤッパリ、恐るべき寿隊(笑)。『最中(もなか)は最高』の間奏で、みんなが最中をがっつく所なんて最高やね。
これには、腹抱えて笑ってしまった。
しかし、菊地彩子のヴォーカルで一番イケルのは、寿隊のナンバーってのはどうも…(苦笑)

『ラッパーバッカー』を歌う久保 愛の、達観したかのような歌いっぷりはいいねぇ。
今回も調子良く、歌詞トバしてたし(爆)。

しのさん[篠原智子]、ソロでもいいものを作ってくれよ。二期生の顔というか、性格を表していたみーつー[松本美雪]の卒業は、完全にSKiが新世代に入った事を表しているのだなぁと思う。一抹の寂しさを感じた。
この日の早乙女こずえの姿は、今までで一番輝いていた。美しかった。えーこもりょんりょんも、きっとまたどこかで会える事を心の片隅で信じよう。
『約束』『LAST SONG』そして、『清く正しく美しく』を歌ってくれてどうもありがとう…。
SKi史上、一番いい奴だった。本当にいい奴だった。諸岡なみ子に幸あれ!

2位のなみ子が歌い終わり、1位の(橋本)美香・彩子・美緒子へ交代。
それはまるで、SKiのメインステージが名実共に、三期生たちへ移った事実を表しているようであった。
また同時に、彼女ら三期生たちに、SKiの大いなる伝統と遺産が継承されたのだ。
頼むぜ、7人の三期生たちよ。そして、後を継ぐ四期生たちよ…。私はそう思った。
『エピローグ』で、 右手を左右に振りながら…。

[大阪府/Be-Wave]


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