こまばへの道


《春風に乗って》

 アイドルファンになって以来18年。CoCoに見切りをつけて「(アイドルのファンを)引退するか…」とも思ったが、やっぱりダメでした。
 20年間愛読している〈BOMB!〉を通じて、制服向上委員会(SKi)のことは知っていました。ただし、当時はまだCoCoに未練があった上に、メンバーとの年齢差を気にしすぎてファンクラブ(FC)に入会する気にはなれず、足踏み状態が続いていましたが、平成6(1994)年市川公演をもって、この迷いに完全に別れを告げ、同年3月めでたく(?)FCに入会することが出来ました。
 私の場合、こまばへの前哨戦となったのは、日比谷野外小音楽堂で行われた《第1回FCのつどい》でした。最初は半信半疑だった私が、始まった途端に何とも言えない心地好さに包まれ、いつの間にか公演が終わってみれば、次回はGW 2日間公演…。「よし、見に行くべ」となった訳で、今にして思えば、あの春の一日が私にとっての「運命の日」となりました。

 明けて、ゴールデンウィーク。今ではすっかりお馴染みとなった、駅前の薬局の人に道を聞き、〔こまばエミナース〕へと到着。本来、私の予定になかった吉成さん公演のチケットも、その場のノリで購入(笑)。結局、第18回制服の日コンサート全公演を観覧し、帰りの井の頭線の車中には、魂を抜かれ、コミティグッズを手にした私がいた…。
 ただ填(うず)まったとは言え、一推しが固定できない状況が、長く続きました。
 電話でデートの相手・宮本里枝子さんは、FCのつどいを欠席。6月の《vs公演》ではミッシェルから脱走(!?)し、「それなら先代(奥山)みかちゃんを…」と思えば、《真夏の祭典》直前の休業。トドメに、岩崎愛ちゃんまで祭典をもって休業する始末…。
 歌劇《ドン・ジョヴァンニ》を含めて、真夏の祭典は完全な期待外れに終わり、帰りの新幹線の中では、奥山・岩崎ショックもあって、「神様いじわるぅ〜」などと思いもしたが、神様はいじわるじゃない(c)んですね。翌月には、「運命の出逢い」が待ちかまえていたのです。当初、何の期待もなく、「友人らも行くから」という理由だけで行き、それだけのつもり、それだけで終わるはずだったのですが、出逢いはいつも突然に訪れるものなんですね…。
 そう、そこには【本田博子ちゃんとの出逢い】が待っていました。しかし、当時中学3年生だった彼女だけに、翌春の高校入学までは、神様に「残ってくれ」と祈る日々が続きました。
 それ以来、博子ちゃんしか見えない(見てない?)状態の私です。

 SKiに填まってからいろいろな事がありましたが、昨年9月、博子ちゃんの4代目リーダー就任は最高に嬉しかったですね。いい年して、嬉し泣きしましたもん。
 でも、少し複雑な心境にもなっています。SKiの場合、リーダーにまで昇りつめたら、あとは○○なんですから…。
 もう一つ嬉しかったのは、友人が増えた事です。一人暮らしをしているせいか、ふだん共通した話題を話せる人がいないもんで、本当に楽しいですね。最近、あの空間と時間の中にいるときが一番楽しく思えて、「それがあるから生きていける」と思うんです。

 思えば三年前、春風に乗って日比谷に行った「運命の日」、あれが全てであったように思います。

おもしろて やがて懐かし 月日かな  こまばのことも うたかたの夢

 私がSKiファンになってからの事を、詩に詠みました。私自身、いつでもと覚悟はできているので、残りわずかのSKiライフを思いっきり楽しみたいと思います。

 今は5月10日。18日はボウリング大会…。
 そして何よりも、ニューヨーク(の夏休み公演)は本気なんだろうかと悩む、今日この頃です。

[静岡県/駆逐艦<雪風(ゆきかぜ)> by兵隊さん]


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