last update:98/03/18
水野あおい こまばエミナース で コンサート記念 特集 |
4年ほど前、中嶋美智代ちゃんのコンサートに行った時のこと。終演後、ロビーに出ようとすると、客席であおいちゃんと※1野間さんを見かけました。
それから何だかあおいちゃんのことが気になりはじめ、《※2東大駒場祭》に行ってみることにしました。
ステージに登場したあおいちゃんは、「ち、ちっちゃい!!」。
第一印象が「小さくて可愛い」のはお約束(^^;として、何よりも驚いたのは、歌がうまいこと。そして、「とても美しい歌声の持ち主」だということでした。
それから間もなくして、ソロでCDデビューを果たします。
当時の活動は、数々のイベントや※3日比谷シャンテでのDJなど、ファンと接する機会も数多く、フレンドリーな握手会も特徴です。
94年11月20日に初のソロコンサート《水野あおい お誕生日コンサート 〜日本一のアイドルをめざして〜》が〔六本木・R-hall〕で行われ、それから毎年お誕生日(11月20日)の時期に恒例となり、今日のこまば公演で、もう4回目になります。
あおいちゃんの歌を一度でも聴いたことがある人ならお分かりでしょうが、実に“透明な声”なんですよね。もちろん、アイドルと呼ばれる人の中にもそういう人はいますが、決して冷たくはなく、柔らかな、そして優しい響き…。
例えば、SKiの吉成圭子さんと比べても、甘さがなく、水のような透明さが特徴です。高音はよく伸び、それでいて決してキンキンすることがありません。これだけ純度が高いと、表現力との両立はちょっと難しいのかもしれませんが。
「フリフリの衣装を着て、古典的なアイドルポップスを歌う」という、オーソドックスなアイドル像をあおいちゃんに見て取る人は多いでしょう。現在ではアイドルブームはすっかり影を潜めてしまい、そのようなアイドルは珍しいくらいです。
しかし、大勢に受けるには「アク」のようなものが必要なのではないでしょうか。あおいちゃんの歌は、決して大向こうをうならせるようなものではなく、押し付けがましさもありません。
性格的にも、あまり目立とうとする姿勢が感じられない。かつての、アイドルのあり方とはずいぶん違うように思えませんか? ここには、紛れもない【水野あおいという世界】があるのです。
透明な、そしてふわふわした雰囲気の中で、力強く歌うあおいちゃん。現実とはかなり異なる世界かもしれない。
しかし、大切なものを思い起こさせてくれるようなパワーを感じるのです。
コンサートで跳んでいたり、またイベントでファインダーを覗いているときも、不思議とその歌声に安らぎを覚えます。
そして、あおいちゃんと接していると、「どこか優しい気持ちになれる」ような気がします。
それは一体、何なのか。答えが出る日は、きっと永遠に来ないのでしょう…。
[カメラと文:埼玉県/髪型向上委員会]
※1 野間さん = アルテミスプロモーション社長・野間 真氏。
前の事務所時代から、ずっとあおいちゃんを育ててきた人。
※2 東大駒場祭 = 東京大学駒場キャンパスで毎年11月に行われる。最寄り駅はもちろん京王井の頭線「駒場東大前」駅。その当時、私はまだSKiに興味がなく、やがてこの駅を利用することになるとは夢にも思わなかった(^^;。
※3 日比谷シャンテ = TBSのブースがあったところ。あおいちゃんは隔週でDJをしていて、必ず生で歌っていた。94年12月にブースは閉鎖され、翌年3月から赤坂メディアプラザで同様のイベントが行われるようになった。あおいちゃんも何度か出演している。
[ 97年11月号目次 ]