《ある“ゆっきぃファン”の、「N.Y.ファースト・チャレンジ!」》
1997年、SKiの最大の出来事は、個人的には「N.Y. ファーストチャレンジ」だと思う(ゆっきぃファンにとっては「長期休業宣言」という大事件もあったけど…)。
ゆっきぃの突然の参加決定で、大騒ぎの末にギリギリで申し込んだこのツアー。心の準備ができないまま、機中の人となった。「メンバーと一緒なら、たとえ飛行機が落ちても本望だ」と思っていたのだが、メンバーとは別便! スチュワーデスは、おばさん!! 先行きが不安になってきた…。
でも、そんな不安はウェルカム・パーティーでメンバーの元気な姿を見た途端にふっ飛んだ。「N.Y.で見るゆっきぃは一段と可愛ぃ〜」。
メンバーも、お客さんたちの顔を見てホッとした様子。とてもいい雰囲気の中で、ジャイアント馬場の足よりも大きい(笑)ステーキを食べた。
翌朝、少し早目に起きて窓の外を見ると雨。撮影会の日に限って雨とは…。
大型バス2台に分乗して、市内観光をしながらの撮影会。最初の撮影場所である、自由の女神を見渡せる〔バッテリーパーク(Battery Park)〕へと向かう。有名な自由の女神像は3kmも先にあるので、メンバーの手のひらに載ってしまうほど小さくてガッカリ。ただ、雨は上がってくれたから、曇り空の下でも楽しい撮影会となった。
帰りのバスではゆっきぃの真後ろの席を譲ってもらい、車窓風景そっちのけで、ゆっきぃのつむじだけを見ていた(爆)。
ゆっきぃと話しをしたり、パンを分けてもらったりと、幸せすぎる時を過ごした。斜め前の席では、美緒ちゃんが時差ボケのためか、うつらうつら。閉じかけた瞳が色っぽくて、ついつい目が行っちゃうのだが、「集中、集中…」と心の中で唱え、ゆっきぃのつむじを見続けているうちにホテルに到着(ホテルもメンバーとは別なのだ)。
夕方には、〔アニメクラッシュ(Anime Crash)〕という店でコンベンション。現地の人たちも暖かい目でメンバーを見ていた。我々ファンの姿が彼らの目にどのように映ったかは置いといて、SKiは好印象で受け入れられたようだ。CDも よく売れていたし…。
TAXIに乗り、ホテルへ帰る。N.Y.のTAXIや地下鉄に乗ると、まるで映画の主人公にでもなった気分。
カーテンを開くと、朝の雨が嘘のような「満点の星空」だった。
3日目は待望のボランティア活動だ。
「制服向上委員会」と書かれたお揃いのTシャツを着て、地下鉄に乗り〔セントラルパーク(Central Park)〕へ。草むしりや肥料まきの緑地整備の仕事を「なんで皆、こんなに一生懸命なんだろう?」とお互いに思いながら、メンバーと一緒にいい汗をかいた。
メンバーはそれぞれ自分のペースと個性で頑張っていて微笑ましい。リーダーシップを発揮する、博子ちゃんと彩ちゃん。真面目な美香ちゃんとゆっきぃ。サービス精神満点の美緒ちゃん,直美ちゃん,陽子ちゃん。自分なりに精一杯、“草履ばきの”久子ちゃん。現地の方からもお褒めの言葉をいただき、大満足で作業を終える(噂されていたCNNテレビの取材がなかったのがちょっと残念。新聞社は来てたようだが…)。
そして夜は、日本人アイドルとしては初めて、ライヴハウス〔ザ・クーラー(The Cooler)〕のステージに立つ。
まるで自分が出演するかのような緊張が体を包む。ホテル から寿隊のハチマキをして気合を入れる。この日のライヴは、メンバーも我々も思いきり良く全力を出しきったという感じで、とてもノリが良かった。
日本のアイドルファンの勇姿(!?)を見せつけることができたし、コンサートも大成功! SKiのメッセージ「地球に愛を」も、ちゃんと伝わったはずだ。
燃えつきた自分は、ライヴ終了からホテルに着くまでの記憶がない。汗でぐしょぐしょになったハチマキを洗ってから、深い眠りに落ちた。
←↑観客に配られたカード(表・裏)
いよいよ最終日。〔セントジョン大聖堂(The Cathedral Church of St.John the Divine)〕での斉唱。カラオケもマイクもなしの、本当の「ア・カペラ」だ。コーラスパートもより細分化されて複雑になっている。
しかし、メンバーはかなり緊張していながらも、ちゃんとこなしていく。声量が多い方ではない、博子ちゃん,直美ちゃん、そして久子ちゃんまでもが大きな声を出している! その姿は神々しくもあった。
斉唱が終わり誰もいなくなった聖堂の中で、ホッとしたのか感動の涙を流していたメンバーたち。その美しい涙を見て、思わず自分も涙ぐんでいた。
大仕事を終えて、本当に心からリラックスした表情のメンバーと散歩しながら、教会近くの〔モーニングサイド公園(Morningside Park)〕に向かい、2回目の撮影会。
「よくやった! 良かったよ!」と心の中で繰り返しながら、シャッターを押す。みんな同じ気持ちなのか、不思議な一体感がある。今、振り返ってみても、この時の強い陽差しやメンバーの楽しい笑い声が一番に蘇ってくる。
フェアウェル・パーティーで全員と握手をして、感動に包まれながらも「もう終わっちゃうのか…」という気持ちも同時に抱き、この旅は終わった。メンバーと毎日会えて、話しが出来て、本当に充実した密度の濃い旅だった。自由時間に街中でメンバーに会っても、向こうからあいさつしてくれたりととてもフレンドリーで、立場はアイドルとファンであっても「同じ目的を持った同志になれたんじゃないだろうか?」と、改めてそう思う。
帰りの飛行機も別便だったけど、一生忘れられない1997年最大の思い出だ。
本当にSKiファンをやってて良かった。ゆっきぃを好きになって良かった!!
Thank you for everything!
[カメラと文:埼玉県/竹内“ゆっきぃオンリー”徹也]
[ 98年1月号目次 ]