last update:98/05/13
 ◆ イベント レポート ◆

 FCツァー 精進の旅

 at.白子温泉・三四郎{千葉県長生郡白子町}  1997/11/ 8(Sat)-11/ 9(Sun)


 「精進」とは、いったいどういう意味なんだろうか。
 広辞苑によると、仏教用語で「悪行を断じ、善行を修める心の作用。雑念を去り、一身に仏道を修めて※1懈怠(けだい) せぬこと」とある。これじゃぁ、何のことか分からん。それ以外には、「身を潔め心を慎むこと」とか「肉食せず菜食すること」「一生懸命努力すること」という意味があり、一言で言い表すのは難しいようだ。
 しかし「精進」と言われると、感覚的には何となく理解できなくもない。SKiとの接点があるとすれば、「清く正しく美しく」も一種の精進なのかもしれない。それにしても、今回の《精進の旅》で一体どうやって精進するつもりなのかは、見当もつかなかった。

松井陽子  11月8日(土曜日)、都内で所用を済ませた私は、東京駅14時31分発のJR京葉線ホリデー快速に乗る。途中、《生誕5年祭》をやった新浦安ブライトンホテルがある新浦安駅を通る。京葉線に乗ることは滅多にないが、こうも立て続けに乗るとは予想できなかった。
 終点の蘇我駅からは外房線に乗り換え。ここまで来ると、外は一面の畑だ。「やっぱ(c)、田舎だなぁ」と思っていると茂原駅に到着。茂原はけっこう開けたところだ。
 今回の宿舎となった白子温泉の旅館[三四郎]には、駅から送迎バスで行くことになる。私は16時10分発のバスに乗ったのだが、時間になってもなかなか発車しない。どうしたんだろ?と思っていると、大柄な女の子と小柄な女の子が乗ってきた。なんと、菊地彩子ちゃんと松井陽子ちゃん=写真(1)=だった。
 で、時ならぬ“バスツァー”になってしまった(笑)。この前の便が、むさ苦しい男どもで満員だったらしいので、メンバーと一緒のこの便に乗れたことは、かなりラッキーだった。
 バスに揺られること20分で、三四郎に到着。
 今回も受付にはメンバーがいる。私が着いた時は、めぐ[久保]と麻井玲那ちゃんだったが、めぐとのジャンケンに負けてしまい、ツーショットポラを逃したのが残念。
 受付を済ませて部屋に向かう。今回の部屋はとてもいい。かなり広いし畳も新しく、窓の外には美しい海が広がっている。 今までで一番 良かったんじゃないだろうか。

 18時からは夕食と【ショータイム】の時間だ。《精進の旅》っていうから精進料理でも出るのか?と思ったら、何のことはないフツーの旅館の料理だ。もっとも、精進料理っていうのは肉や魚を使わない菜食だから、大食漢の人には物足りないだろう。これはこれでいいんじゃないかと思う。ただし、ドリンクが完全オプションっていうのにはマイッタ{これじゃ乾杯なんかできんよ^^;;;}。
 にも係わらず、めぐは乾杯の音頭をとろうとする。「飲むものもないのに、どーやって乾杯するんだぁ!」という声があちこちから飛んだので、乾杯はせずじまい。私は「いただきます」にしておいた。
 本来なら、ここからショータイムのレポートにならなければならんのだけど、この日は19時からサッカーW杯予選の日本対カザフスタン戦がある。夕食を済ませた私は、フロント奥にあるロビーへまっしぐら。私以外にも数人のファンさんと一般宿泊客も集まって、テレビに釘付けになる。
 試合は完全に日本ペース。前半、秋田の先制ゴールが決まるとテレビの前ではドッと歓声があがる。さらに中田が決め、続いて待ってましたの※2ゴンゴール。後半も井原,高木がゴールして、終わってみれば5対1の大差で勝ち。8日後の11月16日(日曜日)にマレーシアで行われる、アジア第3代表決定戦出場を決めた。自宅ではない場所でW杯予選を見ることができ、しかも日本が快勝した。これもいい思い出になりそうだ。
 なお、今更言うまでもないけど、日本は16日の試合でもイランに勝って、悲願の「W杯初出場」を決めたことを付け加えておく。

橋本美香  日本チームの快勝に気分を良くして会場に戻ろうとすると、『渚に消えた初恋』の歌声と、それにあわせて飛び交う奇声(?)が聞こえてきた。「今日はサッカーを見に来たんじゃなくて、SKiのツァーに来たんだよな…」と今更のように実感しつつ、会場に入っていった。
 ショータイムは終盤だったが、歌のところが見れたのだから問題はない。【山手線ゲーム】とかもやってたらしいけど、私にとっては歌さえ聞ければいいのだ。
 最後は全員との握手ってことで、メンバーは銘々コスプレ(!?)をし、みぉりん[斉藤]はベテランの、宮田直美ちゃんは新米のおかみさんっていう感じだった。ゆっきぃ[井上]の柔道着姿はYAWARAちゃんこと田村亮子みたいだし、少林寺拳法をやってるという橋本美香ちゃん=写真(2)=は柔道着もよく似合っている。
 メンバーの皆さんも、いろんなカッコさせられて大変ね(笑)。

 ショータイムが終わると22時を過ぎていたが、その後もいろんなことがあった。1階の自動販売機でジュースを買って飲んでいると、松田ゆかりちゃんが電話をしている。どこに電話しているのだろうと思ったけど、(あまり近付いちゃ悪いので)遠くから様子を見るだけにした。
 更に、メンバーが自分の部屋に移動するためなのか、次々に前を通り過ぎていく。ゆっきぃはなぜか顔を隠して、一緒にいる美香ちゃんが肩に手を掛けている。どうしたんだろう。
 彼女自身の話によると「眠かったから」らしいけど、真相は不明。
 夏のプロローグツァー(山中湖)の時にあった、メンバーからの夜食の差し入れは今回もあった。前回はカップラーメンだったが、今回はおにぎり。私はめぐからもらう。フツーのおにぎりだけど、やっぱ「めぐの味」がする。
 中には「ア〜ン」をして食べさせてもらった人がいたとか、いないとか…。ううむ、私もそこまでしてもらうべきだった(^^;と、後悔することしきり。

 翌朝は、7時から食事で8時出発のハズだったが、予定変更で出発が9時になってしまい、1時間ほど時間が空いた。ゆっくりできるのはいいけど、できれば山中湖の時にやった【朝のお話の時間】みたいなのがほしかったなと思ったのは私だけではあるまい。
 9時に旅館前に集合して、午前中は恒例となった【撮影会】。
 今回は房総半島ということで、会場は浜辺だ。天気もよく、空と海の青さが美しい。ポーズ禁止とか小道具禁止とかいうウルサイことがないのも良かった。しかし、残念だったのはリーダーの本田博子ちゃんがいなかったことだ(短大の受験だったとか)。後で駆けつけてはくれたけど、撮影会には間に合わなかった(泣)。
 撮影会と昼食の後は、体育館で【ゲーム大会】。
 メンバーの声当てクイズとか、目かくし握手メンバー当てクイズ(手の感触だけで当てる)なんかがあったけど、正解率が意外と高いのにはメンバーも驚いていた。さすが、SKiファンは深い人が多い(笑)。
 メインイベントは、チーム対抗のドッジボール大会だったけど、我が[KS3チーム]は例によって初戦負け、後はやることがない。【朝のお話の時間】もなかったことだし、ここは一つメンバーとしゃべるしかない!ってことで、同じく初戦負けをしてヒマそうにしているゆっきぃをつかまえ(^^;;)、質問攻めに…。彼女に関する新事実が分かってなかなか楽しかった。何でも、ドッジボールは苦手だとか、水泳はできないとか、「スポーツ万能」と思われていたゆっきぃだけど、得手不得手はあるようだ。コートでは勝ち残ったチームによってドッジボールが続いていたが、こうしてゆっきぃと一緒にいる時間が長く持てたのだから、「初戦負けするのも悪くないな」と思ってしまった。

伊藤嘉代子  全日程終了後は、これも恒例の【握手会】。伊藤嘉代子ちゃん=写真(3)=が体調不良でいなかったのが残念だったけど、ゲーム大会の時間に駆けつけた博子ちゃんが加わってくれたのはうれしかった。
 BGMにSKiナンバーのカラオケがかかっている。ゆっきぃと握手の時はタイミング良く『初恋にサヨウナラ』。「歌って」と頼んだら、「今度歌います」とあっさりかわされてしまった。みぉりんの時もタイミング良く『いつものように』。「一緒に踊って」と頼んだら、「ヤですよぉ!」と思いっきりイヤがられてしまった。彩子ちゃんには踊りのアドバイスを受けてしまった。やっぱ、フツーに握手するより、何かした方が面白い。
 美香ちゃんは「高校卒業後もSKiは続けます。自分で決めたことなんで、後悔してません」と断言してくれた。ファンとしてはとてもうれしい言葉だった。その証拠に、最近の美香ちゃんはとても輝いて見える。
 陽子ちゃんの握手は、相変わらず強い。川野朋美ちゃんは、本当に広末涼子に似ている。

 そんなこんなはあったけど、握手会も無事終了した。メンバーの出待ちをしたいところだったけど、送迎バスの出発時刻が迫っていたので断念した。茂原駅に着くとドッと疲れが出て、激しい頭痛がしてしまった。なんでこんなことになったのか分からないけど、とにかく帰りの電車の中ではずっと寝ていた。
 しかし、この旅で精進ができたのだろうか? いゃ、その逆のような気がする。近いうちに神社仏閣めぐりをして、精進をし直そうと思っている今日この頃だ。


※1 懈怠(けだい) = なまけ、おこたること。なおざりにすること。
※2 ゴン・ゴール = サッカー日本代表の中山雅史(ジュビロ磐田)が
  ゴールを決めること。
  中山のニックネームは「ゴン」なのでこう言われる。

[文:論説委員■本間 寛]

[カメラ:ゆめのしずく]



98年1月号目次