last update:1999/01/29
電車の中で、ふと思ったこと… ハッ!Train


《リーダー・本田博子の功績》

 SKiのリーダーが、二年前の8月に現在の本田博子ちゃんになりました。その後のSKiの活動に対し、というか、リーダー博子ちゃんに大きな期待を寄せていました。(今考えると、過大だったかもしれません)。
 どこかで述べた記憶があるのですが、それは博子ちゃんが、SKi史上最高のリーダーだと思っていたと言うことです。
 以下、その理由を挙げると…。
 (1)可愛い。(2)人気がある。(3)若い。(4)やる気があり、責任感がある。(5)まじめ。(6)メンバーをまとめ、引っ張っていく力。などが考えられます。

 歴代のリーダーを考えますと、初代リーダー(吉成圭子)は他のメンバーの見本として、その実力を見せつつ、結果的に引っ張っているというだけにしか思えませんでした。残念ながら“やる気”はあんまり感じられなかったし、年齢的な限界もあるように思えました。ただ、どう見ても吉成さんは二十代には見えませんでしたが(笑)。
 そして、二代目リーダー(青山れい)は、強引にグイグイ引っ張っていくタイプでした。
 しかし、歌唱力の問題や人気、さらにはこれも本人が卒業式の時に語っていたことですが、「奥山みかの脱退後自分の中でテンションが下がっていた」ことなど、さまざまな問題がありました。
 三代目リーダー(諸岡なみ子)はよくメンバーをまとめ、SKiの楽しい部分を十分引き出してくれましたが、それは次の理由じゃないかと思います。
 (1)明るく、元気。(2)歌唱力がある。(3)やる気がある。(4)メンバー・ファンさん共に、誰からも好かれる。などが挙げられます。ただ彼女は一期生であり、三期生が台頭しだした時期の就任と言うことで、メンバー内でのメンツ的に古くなりつつあったことと、何よりも博子ちゃんとの違いは、一推しにしていたファンの人数だと思います。
 なみ子ちゃんの場合、確かに人気者ではあっても、一推しにするファンの人は自分の周り(狭いが)だけ考えても、少なかったように記憶しています(決して実数を数えたわけではないのですが)。
 私にとってリーダー・博子ちゃんは、どこにも弱点の見当たらない娘でした。MCも上手だし、何事にも前向きに積極的に活動している彼女は、何かやってくれるのではないかという気さえしました。
 ところが、いざ活動してみると、彼女の努力は空回りするばかりでした。二年前の十一月講演などは「学芸会のレベル」だとか、ずいぶんと酷評されていました。他に“タバコのポイ捨て禁止”やら、“環境問題”“社会福祉問題”など、さまざまな社会問題を扱ってきて、今では“ストーカー問題”に取り組んでいます。
 が、その多くは深いところまで立ち入ることなく終わり、表面的な活動にしかなりませんでした。果てに、昨年6月の日比谷野音で、客に「SKiは、援助交際グループのようなものだ」とまで言われてしまいました。
 これは、やはりメンバー個人が自分たちのこととして、真剣にとらえていないために、個々人にこれと言った考えがないから、このような事態を招くのだと思います。
 さらには、今年四月にリリースされたシングル『鼻くそMANが行く』も、ファンの間でさえ大不評。あれを肯定的にとらえている人は、私の知る範囲では少ないと思います。私もこの曲だけは“お蔵入り”です。
 と、リーダー・博子ちゃんにとってかなり厳しい状況に追い込まれたこともあったでしょう。そして、博子ちゃん自身の問題としても「少女時代はもう終わった」と、自分自身で認識していたとしても、昔のような弾ける元気の良さが失われつつあるに私には見えます。出番が減ってきたことも影響しているのかも知れません。ただ、それはリーダーとして抑えているところもあるのでしょう。しかし、リーダーであること以前に、一人のアイドルとしての自分を見失いかけているように思えるのです。確かに、SKiに入会して四年もたてば、人間誰でも少しぐらい変わるし、まして博子ちゃんは十代だから、その変化も激しいことが分かっていても…、です。

 このように書き連ねてくると、何か“リーダー・本田博子”となってからというものの、光と影で言えば“影”の部分が多いように感じる。しかし、そうではないのではないかというのが、私の考えなのです。
 それは簡単に言うと、彼女がIJRのプロデューサーとして、IJRのCD、あるいはコンサートに新しい風を送ってきてくれたことです。それが『ハーモニー』です。
 博子ちゃん自身ハモリが好きだということもあり、博子ちゃんがリーダーとなって以来、IJRのCDあるいは、コンサートでの新曲は今までのSKiとは違った、良い意味での変化をもたらせてくれました。
 最近のSKiのCDは、確かに質が良いとは言えないでしょう。が、それまでのCDの中で、その“ハーモニー”という新しい風(博子ちゃんがリーダーになる前にも、『恋のインビテーション』『同級生』のアカペラ版があったが、ここまで本格的だったかどうか…)を強く感じたのだが、4人1組のアルバム『自由に生きよう』でした。
 私は元々、コンサート・バージョンの楽曲をそのままCDにしてもらいたいという人間だったので、アレンジが加わることについては抵抗がありました。1stアルバムに収録されていた『青春ラプソディ』などには、かなりの期間違和感を感じたものでした。
 しかし、この4人1組のアルバムや『傷だらけの青春』『地球に愛を』などのアルバムは、すんなり聴くことができて、かなり気に入っています。そして(コンサートでの)代表的な曲として『コンプレックス』が挙げられます。あのハーモニーは素晴らしいですね。博子ちゃんのソロナンバーも『17才』『18才』となかなか質の高いものとなっています。
 博子ちゃんリーダーの下、SKiはなかなか歯車が噛み合わなかったり、また博子ちゃん自身、自分の年齢よりはるかに下の娘とやる難しさや、後輩ではあっても年上のゆっきいがいたりと、何かと大変なことが多かったと思います。
 しかし、芝居に対するその意識の変化など、先に述べたハーモニーとともに、私たちに不完全(完全などないかもしれないが)ではあるが、新鮮な風を吹き込んでくれたと私は考えています。

 この原稿が誌面に出る頃には、もうリーダーが交代しているかもしれません。
 しかし、博子ちゃんはリーダーとして、確実に功績を残してくれました。

      今 キミが感じてる その想いだけに賭けて
      彩やかなイメージ通り そう君の想い通りに…
(LUNA SEA『SHINE』)

 これからも、博子ちゃんは失敗しても良いです。だけど、自分の想い通りにやっていってもらいたいものです。
 そして、もっと輝いて欲しいですね。

[埼玉県/恵里子にTry!]

(この原稿は、98年7月に書かれたものです)

本田博子


98年冬号目次

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