last update:2000/11/23
◆ SKi卒業生たちの今 ◆
卒業生通信


これも“卒業生通信”かなぁ〜?
ハードレイン(モッチ&ショーゴ)


 去る一月某日の夜、なにげにテレビを眺めていると、目が細く頬骨の張った二十代後半くらいの男性が画面に映し出された。
 「あれっ! 何かモッチに似ているなぁ〜」。と思いながら見ていた。なんでも吉祥寺周辺で、月イチでライブハウスでライブをしながら、平日は駅前で路上ライブをやっているというフォーク・デュオとのこと。
 相方のもう一人は、髪を真ん中で分けたまじめそうな青年。
 そう、この二人はやはりSKiのコンサートやイベントに出演していた『ハードレイン』の二人、モッチとショーゴではないか!!

 問題の番組は、関東地区で1月21日の21時30分よりフジテレビで放映された『SURPRISE』という番組で、“驚き”を意味するSUPRISEのタイトル通り、ターゲットとなる人物が驚くようなことを仕掛け、隠しカメラでその様子を観察するある意味では“悪趣味”とも取れる内容だが、いわゆる“ドッキリ”のような単純なリアクションを笑う、というものではなく、もっとドキュメンタリー調に、ターゲットの対応を窺うというものだ。
 小学校からの級友であり、音楽でプロ・デビューすることを目指して静岡から二人で上京してきたモッチとショーゴ。
 モッチの誕生日に「新しいバンドでCDデビュー」の話を持ちかけてみて、果たしてモッチは“新バンドでのデビュー”と、“ショーゴとの友情”どちらを取るのか。それをこっそりのぞき見よう、というものだ。
 ライブを終えたモッチに、ある音楽プロデューサーが「新しいバンドを組むが、ヴォーカルが足りない。楽曲の選択などは全てモッチに任せるからやってみないか」という好条件を提示する。
 モッチは「相棒のショーゴにも相談しないと決められない」というが、プロデューサーは「彼は彼で別の音楽をするから、君はこのチャンスに新しいバンドに挑戦してみないか」と説得されて、「そういう事なら」とOKする。
 デビュー曲は以前からのモッチの持ち歌に決まり、誕生日に初ライブが決定する。が、バンドのメンバーはモッチよりずっと年下。衣装は流行の“ビジュアル系”と、今までの自分の音楽の方向性とはまるで違う新バンドに当惑しているところに「ショーゴは今日も一人で路上ライブやってるよ」との知らせ。そのままショーゴとは一度も会うこともなく、ライブ当日を迎える。

 その日は冷たい雨が降っていた。初ライブの前に緊張するモッチだが、そこに「モッチが別のバンドでデビューする事を、ショーゴが知ってしまった」という電話が入る。そして「ショーゴは今日も雨の中、一人路上ライブをやっている」という。
 それを聞いたモッチは「このままではステージに立てない」とプロデューサーに言い残すと、ショーゴが歌い続けるいつもの場所へ急いだ。
 舞い戻ってきたモッチに「どうした」と声をかけるショーゴ。泣き崩れるモッチに「今日は相棒の誕生日です」と言って『ハッピーバースディ』の歌を歌い始める。いつの間にか周りにはファンや友人達が集まり、みんなでモッチの誕生日を祝福していた・・・。

 久々に見たモッチとショーゴ。今は『ハードレイン』を名乗ってはいないようだが、二人とも音楽を続けているのは嬉しかった。
 私にはSKiのイベントで歌った後、「やっぱりフォークはいいね」の一言に、心から嬉しそうに笑うモッチの姿が鮮烈に印象に残っている。「あの笑顔に二人の音楽は集約されている」とその時感じたが、それはいまでも変わらないようだ。

 それにしても私が気になったのはショーゴの方だ。もしモッチが新バンドでCDデビューを目指してヤル気満々だったら「あれ、実はウソなんだ」では本格的にシャレにならない。
 お誕生日のお祝いどころか、本気で落ち込ませるか怒らせるかも知れない。
 それをあえてやったというのも、小学校以来の相棒に、深い信頼を持っていたからなのだろう。

二推しモッチの 【群馬県/知恵之輪士】 



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