特集「No! Make 全曲レビュー」

アルバム総評


 今回の『NO!MAKE』だが、ジャケットに関してはノーコメント(苦笑)。でも総合的な出来としては高く評価している。
 中心メンバーである橋本美香、三浦恵里子、秋山文香などはもちろんのこと、今回は西堀真子、石澤彩乃、石崎麻里のように、比較的新しいメンバーも参加している点は今後のSKiにとってはすごくいい事だと思う。
 『歌って歌って踊って踊って』『Y・A・D・A』などのようにノリのいい曲から『何かのために』『いつか会えたら』などのように心に染みる曲までいつもながら素晴らしい曲ばかりで何回聴いても感動できる。
 このアルバムで特に評価しているのは、橋本美香や秋山文香が作詞した曲が思ったより入っている事である。そして今回は、橋本美香がサウンドディレクターとして参加しただけあって、全体的にまとまりのある曲目がそろっている。
 特に聴き手側を飽きさせない内容となっている。
 『一人ふたり』のRECの時、西堀真子が風邪をひいていてガラガラ声だったにもかかわらず頑張っていたようで、そういう意味でも私はこれからのSKiに期待していきたいと思う。
 でもあまりにもひどい時は無理してはいけませんよ>真子ちゃん
【副編集長■竹ちゃん】


 最近のSKiのアルバムは、“ロック路線”と“アイドル路線”が混在して融合していないというのは、本誌編集長ブルーウェイブ氏の意見だが、私も全く同感だ。
 では、今回の『No! Make』はどうかというと、あからさまな“ロック路線”の曲が無くなったこともあって、アルバムとしてのまとまりは良くなっている。
 『心の行方』『ノーメイク』はメッセージソングだが、今までのようにやたらと大きなテーマをぶちあげずに、メンバーと同世代の若者達が抱えている問題を歌っているし、『何かのために』も押しつけがましくなく、さりげなく歌っているので抵抗感はない。
 『一人ふたり』『LOVE×2』は文句の付けようがなく素晴らしい。そして、コーラスの美しさが復活の兆しを見せているのも良い。
 ただし、最近のSKi ナンバー最大の問題点である“メロディー”は、今回もパッとしなかった。
 今やSKiの古典とも言える『第一宣言・愛と勇気と思いやり』や『傷だらけの青春』は、もっと美しいメロディーで満たされていたはずだ。このアルバムの収録曲でメロディーが良いのは、PANTA氏の手による『何かのために』『煌きの後に』ぐらいのものだろう。
 つまり、『No! Make』は、初期のアルバムに比べれば物足りないが、最近の中では出来の良い方ではないかと思う。
 惜しむらくは、もう少しメロディーを大切にした曲作りをして欲しかった。
【編集委員■本間寛】


 昔、『ワースト』というタイトルの妙なアルバムがあったが、ジャケットに関してはそれよりコンセプトが分かりやすい。ただ、いくらなんでもここまでやるだろうか。メンバーとファンはそれにつき合わなければならないのか。
 内容はいつものように(c)それなりに良い。楽曲の良さはもちろん定評のあるところだが、ただ、いかんせん音がイマイチ。予算の関係でオケがしょぼくなりがちなことは見逃すとしても、例えば、ユニゾンのヴォーカルがけっこうキツめの音になっている。特に『何かのために』で気になる。ヴォーカルは命なのだから、できるだけ気を使って欲しい。同じ様に低予算でやっているはずのアルテミスでは、もっとソフトで生の声に近いと思う。こんなところにも、事務所のカラーが表れてくるのろうか。
 「ノーメイク」とは、外面だけではなく内面的な「私らしさ」も含まれているはず。相手を思いやる気持ちがあれば、それを何かの形で表現したくなるのが自然。
 FCイベントも画一的になってはノーメイクに相反するのではないか、と思った次第。

【編集委員■ゆめのしずく】


 今回のアルバム、実はまだ買ってない。買う機会がなかったわけではない。買う理由が見当たらなかったのだ。
 さいわい9/10に浴衣撮影会があって、その車中で持っている人にCDを見せてもらい、曲も聞くことが出来た。
 まずジャケットにはとっても失望した。メンバーだって「みんなと同じことがしたい」と思っているかもしれない。
 でもあんな気持ち悪いものをあえてやることに失望した。がっかりだ。自分たちの考えを貫けないと見られても仕方がない。美香ちゃんがアルバムの題名の意味を説いたってこれじゃ何の意味もないではないか。
 曲のほうは悪くなかった。今年は久々にソロを出したアイドルのCDをずいぶん買ったが、SKiほどの完成度を保てる曲は少ないと思っている。それは今でも変わっていない。SKiの曲を作るスタッフ、メンバーはそれなりによくがんばっていると思う。
 特に『一人ふたり』『LOVE×2』は小さい子が多くなった今のSKiを象徴する歌だと思う。これはこれでいい曲だとは思う。
 でも外から今のSKiを見ると「何やってんだよ」と言わざるを得ないことが多すぎる。美香ちゃんのリーダー続投が決まったらしいが、私はあまりいいことだとは思わない。今は新しいメンバーの新しいSKiを作るチャンスだと思っているからだ。
 そのためには美香ちゃんには卒業して欲しい。そして美香ちゃんは別に歌う場所を作って欲しいと思う。美香ちゃんがいる限り新しいSKiは見えてこないと思う。
 悲しいことに、これからを背負ってたつはずのメンバーがやめたり休んだりしている。たとえばいまだにゆーこちゃんは復帰していない。『偶然の一致』を聞いているとすごく悲しくなった。本来なら彼女を含めた高1の子達がこれから引っ張ってこなければならないのに、いままともに動けるのは梢ちゃん一人だけ…なんか寂しい気がする。個人的には、彩乃ちゃんにもっとがんばって欲しいところだ。
 そんなことを考えながら聞いていたら、代々木公園に着いていた。曲はすべて終わっていた。メンバーにはがんばって欲しい。でも私はこのままではSKiに戻ることは出来ないだろう。
【編集委員■ホーカー・テンペスト】


 このアルバム、出来自体は悪くないと思う。
 これは論説委員の本間氏が先に述べているように、前作『音楽は経済のドレイじゃない!』の方向性がファンさんたちに受け入れなかったことを反省して、収録曲を全体的に“アイドル路線”の曲調に戻し、アルバム根幹のテーマを、『制服向上委員会』というグループにとって最も身近で訴えやすいテーマ「ノーメイク」としたことによるためである。

 このアルバムの収録曲に限らず最近のSKiの新曲群は、初中期のように、アレンジ面においてコーラスワークを積極的に使ってみたり、『心の行方』『Y・A・D・A』のような、ちょっと前では考えられなかったアップツーデイトなイメージの楽曲が出てきている。
 これはおそらく、橋本美香ちゃんの考えがプロデュースに、少しは入ってきているからであろうと思う。
 この音楽的な方向性は、おおいに賛成出来る。
 ジャケットはおおむねファンさんには不評だが、私はそうひどいとは思わなかった。少なくとも『熱い地球』や『ワースト』よりは良いと思う。
 表ジャケにはギャルメイクをした5人のメンバーが写っているが、裏ジャケにはメイクをしていない、いつも通りの5人の姿がある。だから私は一種の「ギャグ」として許せた。これが逆だったら、すごくイヤだったけどね。
 ま、えりりんやまいまいには“ガングロ”が本当に似合わないことが分かっただけでも良いではないかとは思う。

 全体を見回してみると、『心の行方』『Y・A・D・A』は残念なことに未消化に終わっているが、チャレンジとしては良いと思う。このテーマでもっと練って作れば、SKiにしか歌えない、立派な楽曲が出来るのではないだろうか。
 このアルバムの中でのおすすめは、迷うことなく『LOVE×2』『一人ふたり』。
 制服向上委員会のアイドルとしての本来の魅力をこの2曲は持っているからである。
 また『何かのために』は、『地球に愛を』あたりと並ぶ、良い意味での“哲学的”な曲だ。聴く者の好き嫌いは出るであろうが、SKi流のメッセージ・ソングとして買える。
 制作スタッフはこのような「制服向上委員会」でしか表現できない、真摯かつ明確なキャラクターを持った楽曲をもっとアピールし、ライブ・アイドル界の中での自らのポジショニングの確保に務めなくてはならないと思う。

 モー娘。の大ブレイク以来、今やどこのライブ・アイドル団体も苦戦している。
 あのアルテミスでさえ、水野あおい引退後はガクッとパワーが落ちたぐらいだ。
 逆に言えば、どこの団体でも、他にはない魅力さえ持つことが出来れば、十分生き残ることが出来ると私は思う。
 これからは、質とアイディアでもってファンさんたちへの満足度をいかにして上げていくかが、勝負になってくるのだ。
 このアルバムを聴いて、少なくとも制服向上委員会には、その資質は十分にあると思った。
 だが、その資質を生かすことが出来るかは、指揮する者のこれからの舵取り次第なのである。
 頑張れ、制服向上委員会!
【編集長■ブルーウェイブ】


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