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切手 ■KS3の問題提議・それから

 THAT'S DANE〜BW編集長の使えないお話〜


  《 DOORS反対決議・それから 》

 ライブハウス「LIVE-BAR The DOORS(以下:DOORSと表記)」で制服向上委員会(SKi)のコンサートを行うことについて、私たちKS3スタッフが反対意見を表明してからおよそ半年が過ぎた。その間に私個人が感じたことを述べてみたい。

 今年(2002年)は「カウントダウン100&卒業式」「真夏の祭典」など、規模が大きくて集客力がある公演だけをこまばエミナースで行い、それ以外はDOORSで開催するという形となった。「せめて、SKiメンバーとファンにとって重要な『卒業式』などの公演ぐらいはこまばで開いてほしい」という、私たちがどうしても譲りたくない最低条件だけはクリアしたことになる。コミティ側にとっても採算面などで、これが「ぎりぎりの線」といったところであろうか…。

 最近「地下アイドル(苦笑)」とまで言われるようになった、いわゆるライブアイドルたちは、その名の通り(と言っては変だが)地下にある小規模なライブハウスで公演を行うことが多い。ならば「SKiだってライブハウス・DOORSで(公演を)やってもいいじゃないか」という考えにもなるだろうが、SKiはフルメンバーの場合10人以上が一度に出演する大人数のアイドルグループであり、ソロもしくは3,4人組程度のアイドルと同じに考えるわけにはいかない。
 私が見る限り、あの面積で自由に動かせるのはせいぜい4人。5人だともう苦しく、6人以上では無理が出てくる。スタッフもそうとう知恵を絞ったようで、この狭いステージでメンバーを動かすために通常一列に並ぶところを二列に並ばせたり、曲によっては出演メンバーを削ったりと、ある程度の成果こそ認めるが「窮屈で不自然」な印象をぬぐい去ることはできない。このままではどんなに頑張ったって「振り付けの集団美」や「ハーモニー」といったSKi独特の持ち味は活かせず、今のまま無理矢理に公演を続けることは「表現者としての自殺行為」と言ってもいい。

 とはいえ、メリットもある。一つはPA(音響効果)がいいこと。もう一つは観客と演者との距離が近く、臨場感が演出しやすいことだ。まぁ、音質の件については音楽をやるためだけに作られた小屋が、どのような催しにもフレキシブルに対応できるホールに負けるはずはないし、面積の小さいライブハウスが演者に近いのは当然である。
 ただ「どうしてもSKiのコンサートをDOORSでやる」ということになると、DOORSというこのスペースでしか得られないメリットを生かした魅力を新たに生み出すしかないと思うが、今のSKiにそんな力があるのだろうか。DOORSで行われるライブは、全般に「トークコーナー」が長い。もちろんメンバーたちのしゃべりもコンサートの楽しみの一つではあるが、本来“歌とダンスで魅せる”グループであるはずのSKiがこれでは、あまりに寂しいではないか。「狭くて踊るのが難しい? じゃあ、トークで時間を稼ごう!」では、全く後ろ向きの結論としか言いようがない。

 それならば、もっと“少人数ユニット”に力を入れてみてはどうか。初期のSKiには[四人一組][ミッシェル][静寂向上委員会]といった、とても優秀な個性を持ったユニットが多かったのだが、ここ数年は[BPG(バチあたりプッツンガール)][エリマキと影]のようないわゆる“一発芸的なユニット”ばかり出てきて(それはそれで面白いが)、SKiを音楽的な面で支持してきた人たちの期待に沿えない結果となっている。
 もしかして制作スタッフは「今の客には、四一やミッシェルの音楽的なセンスは理解できない」と考えているのかもしれない。だとしたら、それは“大きな誤解”である。なんだかんだ言ってても、今もSKiを支持しているファンたちは、皆ああいったタイプのアイドルの歌を聴きたいのだ。
 例えば[四人一組]には河野伶奈、[ミッシェル]は星川りりかを中心に据えてみてはいかがだろう。復活が渇望されている[静寂向上委員会]は星川りりかを先頭に、斎木春香・片平妃奈子といった声質がクリアな子がいい。夏季限定(?)ユニットの[ビーチガール]ももっと洗練できると思う。こういった“(アイドルという形をとった)極めて洗練された曲を歌う”ユニット群があって初めて、[寿隊]のドタバタ、[BPG]のひねくれ、[エリマキと影]のおちゃらけ路線が対照的な存在として生きてくるのだ。DOORSではこういったユニット群でライブをすれば、(寿隊を除いて)ステージングも無理なくできるし、観客も歌や振り付けをじっくりと楽しめるであろう。結果、コミティのファイナンス(財政)の改善にもつながると思うが…。

 と、ここまでいろいろ言ってみたが、とにかく送り手側として「後ろ向きな姿勢」だけはやめてほしいと思う。客の側も、どうしても気に入らなければもう観に行かなければいいと思うし、現に「DOORSでの公演だけは絶対に行かない!」と言って実行しているファンだっているのだ。

 もう少し前向きになんとかしようとする姿勢を見せてほしいと思う。それがあれば皆、少しは納得(というか妥協)してくれるはず…。それが形となってはっきり現れるまで、KS3ホームページのトップに貼った「DOORS反対バナー」はこのままにしておこうと、私は思っている。

[編集長◆ブルーウェイブ]


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