last update:98/12/16  
SKiメンバーへの熱き思い

恋をしようよ
第五代リーダー就任記念

橋本美香スペシャル!


《 Miss SKiへ》

 橋本美香が制服向上委員会に入会したのは、95年の夏のことであった。
 この時点でほぼ同期に入会してきたいわゆる三期生と呼ばれるメンバーは総勢9名。この9名の中には、入った時点から「間違いなく将来のSKiをしょって立つ」と言われたメンバーが何人もいた。
 すらりとした長身とどこか大人びた雰囲気で、入会当初からその存在感を印象づけていた菊地彩子。南少出身で、ずば抜けた歌唱力を持った井上裕紀子。ダンスの切れが鋭く、早くもステージでそのすごさを見せていた斉藤美緒子などなど…。
 このように、初めから華やいだ雰囲気を持ったメンバーが多数いる中で見る橋本美香の姿は、正直言って、いまひとつ地味な印象を受けた。
 だが彼女は、時が進むにつれ、私たちの考えていた以上の速さで、めきめきと頭角を表わすようになる。
 SKi初のダンス・ユニット『SKi-P』のメンバー抜擢を皮切りに、イベント・コンサートでの度重なる登場。その登場回数に比例するかのようにファンさんからの熱い支持を段々と得るようになり、菊地・斉藤・井上と共に、制服向上委員会を代表する主力メンバーの一人となったのである。
 そのファンさんからの高い支持は、四期生・五期生の時代となった今でも健在で、本田博子と並ぶSKi第三世代を代表するメンバーとして、今日に至っている。

 彼女の魅力は、これまであらゆるところで語り尽くされているが、改めてここで論じてみよう。
 ニコッと笑うと、おもわず周りの人間までもがにっこりとしてしまう、人を和ませるとても可愛らしい笑顔{笑いじわもご愛嬌}。どのようなファンさんにも、みんなに分けへだてなく明るく優しく接してくれる、自分(SKi)を支えてくれている者たちへの深い愛情。そこいらのメジャーなアイドルではとても太刀打ちできない、SKiメンバーの中で一、二を誇るハイレベルな歌唱力。制服で隠してはいるが、それでも十分に認識できる出るところは出ていて、ひっこむところはひっこんでいる(笑)ナイスなプロポーション…。
 このように彼女の魅力を箇条書きにしていったら、数々の要素が並んで行く。
 だが、私があえて一つだけ橋本美香最大の魅力を選ぶとしたら、それは『声』であろうと思う。
 彼女の声をひと言で表わすのならば、『鈴を転がすような愛らしい声』である。
 『シャララ』そして『Tea Time』のサビで見せてくれる、彼女の声の中高音部は、言葉では表わせない実に官能的な響きを持っている。私たち聴衆の心を、いや男性の本能を快く刺激するような響きを、抱き持っているのだ。
 そんな『声』の魅力は、天性のものである。例えば、身体のプロポーションや歌唱力、演技力などは、本人の努力次第でなんとかして行くことが可能だし、キャラクター(表面的なイメージ)は、ファンに対して騙し通すこともできる。極端な話、ルックス(顔)だって変えることも出来る。
 だが『声』だけはどうにもできない。後天的な作業で、人々を魅了する美しい声を得ようと思ってもそれは不可能なことなのだ。
 こうして見ていくと、彼女はまさに現在のアイドル界のなかでは本当に数少ない、真に天賦の才を持ちえたアイドルの一人と言える。
 無論、その才能だけに頼ることなく、私たちの見えないところで相当の汗と涙を流しているのもまた、厳然たる事実であろう。そして、それを3年以上も継続してやってのけてきた彼女の努力もまた、賞賛に値するのである。

 しかし、そんな彼女にも欠点がある。それは彼女は実際に会ってみてこそ、初めて魅力が分かるアイドルだということだ。
 『おニャン子』ブームの後に訪れた『アイドル・冬の時代』に、送り手側は新しいアイドル(芸能人)の売り出しシステムを作り上げた。漫画誌の巻頭グラビアや企業CFを核にした、広く・浅くを繰り返しのメディア露出で少しずつ売り出すアイドルを大衆に印象づけて行くという、初めからある程度は計算できる手法で、送り手側のリスクを最小限にとどめるという手法だ。
 今で言うと、かつて九州地区のCFクイーンであり、全国展開を図っている田中麗奈の売り出し手法はまさにそれである。
 そのおかげで、おニャン子を知らない今の世代のティーンは、昔とほとんど同じように、アイドルの与えてくれる一時の甘い夢を感じることができる。
 だが、このシステムでは、実際にアイドルを支持する者たちと、そのアイドル当人が直に触れ会うことはまずない。
 お金をいただくのは、CFに使っていただく企業や広告会社、グラビアに載せていただく出版社という、いわゆるクライアント様であり、本当にアイドルを支持し、お金を出すファンの顔を見なくとも、やっていけるからなのだ。むしろ下手にファンを接触させ、当人の身に何かがあるとまずいということで、送り手側の方としては、このほうがずっとやりやすいのであろう。
 現在の、このようなアイドル世界では、彼女の持ち味を活かすことは、まず不可能だと言える。
 たかだか15秒のCFで、本当の橋本美香の魅力を見せることなんて絶対にできない。

 誤解を与えるような言い方かもしれないが、あえて言おう。
 彼女は……、ライブ・アイドルグループ『制服向上委員会』のメンバーとなるべきして生まれてきたアイドルなのだ。
 『ミス・SKi』。私は橋本美香のことを、こう呼びたいと思う。

 そんな彼女がこの秋から、ライブ・アイドルグループ『制服向上委員会』の第五代リーダーとなる。
 PTAスタッフを初めとする、皆に推されてのリーダー就任なのであろう。
 入会してから、ずっと彼女を見続けてきた私としては、大変喜ばしいことである。
 だが、これから橋本美香は、制服向上委員会というグループの“看板”を背負うことになる。そしてグループ全体の責任という、重圧をも背負うことにもなる。
 リーダーとして、この一年間に橋本美香がやらなくてはならないことは、大きく分けて二つある。
 一つは、制服向上委員会がこれから展開していくであろう新しい音楽性を、これまで制服向上委員会を支持してきたファンさんたちに理解させるということだ。
 今、制服向上委員会はこれまでのテクノとクラシックを融合させた『アイドル路線』から、高橋廣行プロデューサーの志向する『ロック路線』へと、音楽的に大きな転換期を迎えようとしている。それは最新アルバム『○でない少女の×な生活』を聞くと、実に良く分かる。
 しかし現在のファンさんたちは、自分も含めてではあるが『アイドル路線』の音が好きで、制服向上委員会のファンになった人間がほとんどなのである。
 橋本美香は、自分の力(もちろん、他のメンバーとスタッフすべての力を結集させてでもあるが)で、いままでの『アイドル』路線を、新しい『ロック』路線と共に協調させていき、そういったファンさんたちの意識をある程度は変え、理解させていかなくてはならない。
 そんなことが果たして可能なのであろうか。それは率直に言って大変困難なことであろう。これを期にファンさんがSKiを完全に見限る可能性だって高い。でも、もうやるしかないのである。
 やって、完全なる『制服向上委員会』のアイデンティティを作る。これしか『制服向上委員会』が生きる道は無い。
 いままでのやり方では『モーニング娘。』の足もとにすら及ぶことは出来ないであろうから…。
 そしてもう一つは、自分がこれまでのSKiメンバーとして得てきた全ての技能と経験、そして精神を一つ残らず後輩たち…、特に近い将来橋本美香の後を継いでいくであろう、川野朋美・三浦恵里子・秋山文香を中心に教え込む、いや、たたき込むことである。
 この二つができる人間は、世界中にたった一人。橋本美香ただ一人なのだ。
 これから自分が直面する任務の、責任に対する恐怖。それを遂行して行くために、周りの人たち(無論、ファンさんたちも入ってくる)に掛ける負担への申し訳なさ。自分が失敗してしまった時の身の諸し方…。 橋本美香ならば、それらの重圧に負けずに必ずやり遂げてくれると私は思っている。いや、信じている。

 「私は、自分が制服向上委員会に入ったことを、誇りに思っています」。
(98/2/8・『橋本美香・バースディパーティー』での言葉)

 私が彼女のこの言葉を聞いた時、心の底から本当にうれしくなったのを覚えている。
 我々ファンさんたちも、美香ちゃんのこんな気持ちに応えていこうではないか。

編集長代理・ブルーウェイブ
※文中、敬称略で書かせていただきました。



KS3トップページ美香号外号目次

Copyright(c)1998 Kochira Shinjuku 3-chome