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僕が初めてSKiの現場へ足を運んだのは結構遅く、1995年5月20日のこまばでの公演が最初だった。その頃は、まだよくは各メンバーのことを分かっていなくて、とりあえずダントツで青山さんを推してて、他に久美ちゃんや菜々ちゃんもいいなぁって程度の頃だったものだ。で、その日の入場の際の握手会が、僕の時は他ならぬみーつー(ともう一人は誰だったか忘れてしまった…苦笑)だったのである。 無論、それが誰なのかなんかはあの時は分かってなくて、ただただ緊張して握手をしてたんだけど、その時とても可愛いコだと思って既に一目惚れしていた自分がいたことはよく覚えている。そして後になって、それが松本美雪という女の子だということが分かることになるのである。
思い直してみれば、彼女と握手したのはおろか、直接逢ったこともこの時が唯一の時だったことに気付いて僕は非常に愕然とした。もちろん、イベントやコンサート等でその後も何度も見て会ってはいるのだけど、そういった機会がただの1回だけだったなんて、僕はあれから一体何をしていたんだろう…?
【茨城県/Zapple】
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96/08/25 ポートメッセなごや 「マンモスフリーマーケット」 |
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どんな世界にも名脇役と言うべき人がいる。組織や集団があれば、そこには必ずそういった人は存在するものだ。思えば僕は、常に華々しいスポットライトを浴びる主役的な人物はもちろんだけど、それよりちょっと引いたポジションのいぶし銀的な人に、より多く心を惹かれてきたような気がする。例えばプロ野球ファンの自分としては、先発ピッチャーよりもリリーフピッチャー、派手なホームランバッターよりもアベレージヒッターや守備の名人、足の職人。クリーンアップより2番や6番バッターなど…。 松本美雪というコを考えるときに思うことは、いつもそんなことでもあった。メインとなって華々しく全面に出ることはあまりない。でも、無くてはならない存在であり、いないとその穴があまりにも大きく感じられる。そして確実に言えることは、誰からもこよなく愛されているという事実だ。各ネット等の書き込みでも、それは言葉の端々から感じられたし、一推し二推しではなくとも実に多くの人から好感を持って迎えられ、たくさんの人から好きなメンバーの一人として挙げられたその事実。 今回の卒業の件にしたってそうだ。みんなからその別れを惜しまれ、しかもそれは通り一遍の社交辞令的なものでは決してなく、本当に各人が心からその別れを惜しんでいるのが伝わってくるのである。彼女のやんわりとした雰囲気そのままに、誰もがその思いをストレートに暖かく表現しているのが印象的だった。 美形と言うよりも愛嬌のある可愛さ、愛くるしさ。それこそが彼女の最高の魅力だった。それは例えば、しのなどとは一見対極的なところにあるようだけど、その実非常に近いところにあったと思うのは自分だけではあるまい。180度は正反対だけど、360度たてば、それは結局同じくなってしまうものである。みーつーとしのは、そういったところをも互いに見抜き感じとって、ああいう素敵な間柄になったのだろうと思ってる。本当にこの二人には、死が二人を分つまで素敵な間柄であり続けて欲しいと心から思う。 そういった意味では、そんな素晴らしい親友に巡り会えただけでも彼女にとっては十分意義あるSKiだったのかもしれないが、これだけ本当に多くのファンから愛され続けたことは生涯忘れないでいて欲しい。それはみーつー自身の持つ人徳ゆえのことであり、そういった自分を見失わない限り、彼女の将来はきっと素敵なものに違いないからである。 みーつーには、ずっと今の少女のままでいて欲しい。そう、それはさんさんと輝く太陽と言うよりも、暖かな日だまりのようなさり気ないバイプレイヤーのままで。
【茨城県/Zapple】
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1996/06/08 日比谷野外大音楽堂・撮影会 |
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