◆ コンサート レポート ◆

 制服向上委員会 5時間マラソンコンサート

  at.日比谷野外大音楽堂  1996/10/26(Sat) 15:00-


 (私が観るのは)ワーストツアー以来の、SKiだ。随分前から楽しみにし、胸を躍らせての上京。天気予報によると雲行きがあやしく、“だめなひとパワー”による回復を信じていた。往きの新幹線では、編集長たちと合流し、当日販売予定のKS3の製本作業をやっていたのだが非常に疲れる。こんなの、もうイヤだ!(^^; がんばってくれ(笑)>担当者。

 さてさて、新幹線は順調に走り、12時前には東京に着いていた。コミティの留守番電話にもあったが、今回は 〈アワサッテル〉という、新アイテムが登場する。「希望のメンバーと“ツー・ショット”の色紙」ってモノらしぃ。
 既に、〈アワサッテル〉の受付は始まっている時間なのだが、私は別件の用があって、東京駅で編集長たちと別れた。が、2日前に購入したばかりの携帯電話「ドリーム君Jr.(笑)」で連絡し、代理受付をしてもらい、チケット「井-6」を取ってもらう(Thanks>編集長)
 別件を済ませ、裕紀子ちゃんと約束した、「祝!誕生日」の花束を日比谷公園入口の花屋で購入し、コンサートの当日券を買いに行く。一部では有名な話だが、スタッフでは1推し(笑)の、”ひらりん”こと平柳さんは今日も居ない(泣)。どうやら山篭りしているらしぃ(^^;。そして、買った花束におてまみを添えて、スタッフの方にお願いした。

 入口前ではマラソンコンサートのパンフレット(?)が売られている。800円って値段は、“コミティにしては”良心的かもしれない(笑)。早速、内容を確認するが、紙が5枚入っていただけだった。それぞれのメンバーの、「至福の時」についてのコメントだ。このような企画って、それぞれの考え方が分かるので、私は好きだ。自己中心、自然感覚、妄想感覚、ファンの事など…。いろいろあるが、そんな中、「一発ツモった時!」と吉成さん。あなたはさすがだ。「役満上がった時!」って言わないのがまだ可愛い。機会があったら、雀卓囲みましょう(笑)。
 また、食べ物ネタが多いのは、年頃の乙女が故の自然な事なんだろうか(笑)。対照的なのが、こばきゅ〜[小林久子]と裕紀子ちゃんだろう。20名程度の結果から、思春期の理想と現実をちょっとだけ覗く事ができる。
 コンサートの進行表も一緒に入っており、歌われる曲とメンバーが一目で分かる。ステージを見る前に進行がわかってしまうパターンはあまり好きでない。《ワースト・ツアー》もそうだったが、「次は誰が何を歌うのか?」って楽しみが半減してしまう。何か、良い方法は無いものだろうか。
 しかし、その中に「Hearts Never Lie  井上」の文字を見つける。7月のコンサートでは披露されたが、私は 欠席の為聴いていない(泣)。ワーストツアーの時にも、裕紀子ちゃんに、さんざん「『Hearts Never Lie』を歌って!」って言っていたのだが、結局歌われることなく、ツアーは終了した。この曲と、『涙が消えるまで』の2曲には特別な思い入れがあり、この時点で岡山<=>東京の往復30000円の交通費のモトは取ったと確信した(笑)。ハプニングでも無い限り、この曲は披露される訳で、期待に胸を膨らませて開演を待っていた。

 時間は迫り、〈アワサッテル〉組は先に入場し、ステージ上で撮影する事になる。こんなチャンスは、滅多にない。根が関西系だけあって、どんなポーズがウケるか?ばかり考えていた(笑)。当初の予定では「キャイーン」のポーズと言って分かるだろうか?。そう、両手を前で組みお尻を突き出すあのポーズだ。裕紀子ちゃんなら、きっと笑顔でやってくれるだろうと信じていた(笑)。
 既に、ステージでは撮影が始まっている。有名客がステージに上がると、ステージ最前にスタンバイしている “だめなひと”達が一斉に声を上げ、声援とも突っ込みとも、ハンドル(パソコン通信上でのニックネーム)とも言えない言葉を叫んでいる。「有名人は大変だな」と思った。
 順調に進行し、いよいよ裕紀子ちゃんの番になった。ステージに上がり、確認用(?)の写真を、中野社長に1枚撮ってもらう。心臓はバクバクと音を立て、私の緊張は頂点に達した。もう、「キャイーン」の事は頭に無い(笑)。
 裕紀子ちゃんとは、ほぼ3ヶ月ぶりの再会になる。「ご無沙汰してます」と頭を下げ、「私のこと、覚えてますか?」と訊ねてみた。すると、「覚えていますよ」と予想外(^_^;のお答え。カメラに向かい、腕を組んでもらった。思っていた以上に腕を抱かれ、左腕には全神経が集中し、ハラハラドキドキって感じだった(大汗)。
 そんな時、「○○さんですよね{私の本名であって、もちろんまる井さんとは言わない(笑)}」と言われた。3ヶ月のブランクがあるにも関わらず、裕紀子ちゃんは私の事を覚えてくれていた。これぞ、「至福の時」である(笑)。「俺、今死んでもいい…」と発してしまい、裕紀子ちゃんに笑われてしまった。ファンを大事にする裕紀子ちゃんに、ますますハマってしまい、今以上に忠誠を誓う事になる。幸いにも有名人でない(?)私は、客からのダメな声援もなく、無事に撮影終了。今思えば、握手の1つぐらいしておけば良かったと少し後悔(^_^;。別に「キャイーン」をしなかった事は、後悔でも何でもない(笑)。

 そのうち、〈アワサッテル〉の撮影も終わり、今度は開演を待つばかりとなったが、まだ買っていなかったゆかりちゃんのソロアルバムを買う。10月から登場の、「スーパーアイドルくじ{IJR商品に同封されている}」。私の知り合いでは、結構当たっている方が多く感じる。期待してCDの封を切ると、中から出てきたのは、無愛想な(^^;;;彩子だった。
 当然ながら、ハズレ(泣)。いつもは可愛い彩子であるが、この時ばかりは、どんなに憎らしく思ったことか(笑)。また、彩子とは何かと縁がある。FC入会時の生写真のサインも彩子だったし、寿隊パンフのメッセージも彩子だった。なかなか、1推しには当たらない。彩子を1推しにすれば、全て丸くおさまりそうな気がするが、そういう訳にはいかない(^_^;。(ゴメン>彩子)

 強風が吹き荒れる中、いよいよステージは始まった。私にとって3ヶ月のブランクは、予想以上に大きかった。なんてたって、知らない曲が多い。しかし、踊り隊にそんな事は関係ない。「見よう見まね」で踊る、これ基本(笑)。
 “だめなひとパワー”の影響か、心配されていた雨も激しく降ることこそなかったが、しかし寒い。去年のIJF2も寒かったが、今回ほどではなかったと思う。大音楽堂内には枯れ葉が飛び交い、ときどき照明のラインに重なり、不思議な演出をしていた。ステージ上のメンバーも、スカートの制御が大変だったのではないだろうか。

井上裕紀子  辺りが暗闇に包まれる頃、時計を確認するのだが、まだ17時過ぎ。半分も終わってないのだ。何に対してかは不明だが、気が付くと「あと3時間頑張ろう!」と周りのみんなで励まし合っていた(笑)。そのうち、歌われる曲が定番曲へ変わっていく。そう、踊り慣れた曲だ。
 ただ座って観るのとは違い、ここからの時間経過は早い。気が付けば、そこは“ダンスアリーナ(爆笑)”。

 そして、その時はやってきた。「至福の時II」である(笑)。裕紀子ちゃんの『Hearts Never Lie』だ。双眼鏡とうちわを持って、A(ブロック)席へ走る。静かに曲が流れ始め、その曲に合わせて裕紀子ちゃんの声が重なっていく。雑念を断ち切るため瞼をそっと閉じる。徐々にサビに近づいていく。「♪ 最後の未来 創る為に 今を守り 生きていく 〜」
 何度も何度も、背筋が震えた。決して寒いわけではない(笑)が、何か「熱くこみ上げてくるもの」があり、涙が出そうになった。私が裕紀子ちゃんを褒めると、「親バカモード」と思われるかもしれない。でも、それほど素晴らしいのだ。
 曲が終わった。声が出なかった。声援が送れなかった。完全に、裕紀子ちゃんの歌声に酔っていた。以前、本誌 Vol.8で本間氏も触れていたが、この曲は(奥山)美夏ちゃんの曲であり、決して 簡単に歌えるような曲ではないと思う。歌う以上、責任というか何というか、上手く言えないけど 何か「背負うもの」があるように感じる。しかし、そのプレッシャーなど感じさせることなく、彼女は見事に歌い上げてしまった。器の大きさを改めて感じる。裕紀子ちゃん、素晴らしい歌声をありがとう。

 「至福の時」は短い。理想体重のキープも、また然り(笑)。長かったコンサートも終盤を迎え、気がつけば『いつものように』が流れ、すなわち本編の最後を意味する。寒い寒いと文句を言ってても、コンサートの終了は、やはり淋しい。アンコールが始まり、いつもと同じように踊る。そして、『エピローグ 〜終章〜』。コンサートが始まる時から気になっていたが、みーちゅ[松本美雪]の目が赤い。我々ファンには理解できない、「涙」を浮かべている。
 ふと、あの夜の事が脳裏をかすめた。5月6日、大宮公演の夜だ。「まさか!」。最悪の事態が、頭の中を交錯する。しかも、曲は『見上げてごらん夜の星を』だ…。
 歌詞の合間に、博子ちゃんのマイクが、みーちゅのマイクが、不用に動かないか?ばかりが気になった。みーちゅの目は涙で潤んでいる。結局、それらの心配は杞憂だったのだが、あの涙が意味する事は何だったのか? 「松本美雪の最後」を意味するのだろうか? 何も無かったラストではあったが、何かスッキリしないまま、会場を後にした。
 結果的に大きな不安を抱える事になったコンサートだったが、内容には十分満足している。また素晴らしい歌声を、そして楽しいステージを見せて欲しい。ありがとう、[制服向上委員会]。

 次回、私が上京出来るのは2月9日の卒業式だ。その時まで、彼女たちのステージを観ることが出来ない。コンサートの余韻を楽しみながら、2月の卒業式のステージで美雪ちゃんが「主役」ではない事を祈りながら、人に溢れた東京を離れた。

[文:論説委員■まる井, 写真:夢野 雫]


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