《私の中の二期生》
2年前の3月、[二期生委員会]というユニットが結成された。千秋ちゃんをリーダーに、二期生7名で構成。智子ちゃんが初めてソロで歌ったのも、そのデビューステージだった(<コミティビデオvol.99「未完成#3 SKiまつり」>に、ノーカットで収録されています)。
ところが、その後は何度かステージが行われたものの、うやむやになってしまった感がある。10月の野音では[二期生+三期生]なるものが登場し、三期生の方が出番が多かったぐらいだ(苦笑)。
2月9日の卒業式。「二期生委員会の最後のステージが行われます。」 3名が卒業していくとはいえ、驚いた。同時に、「二期生」というくくりは、事実上今日で終わりとなることも…。
コンサートも中盤になり、いよいよ二期生5名がそろって登場。
まずは、『恋人たちの歌』。美雪ちゃんがセンターヴォーカルである。続いて、『ダイエット号に乗って』。歌はもちろん、新二期生の4人だ。ポンポン隊には吉成さん(!),ゆかりちゃん,なみ子ちゃん,彩子ちゃん、そして智子ちゃん。実に豪華な顔ぶれだ。吉成さんの踊りは、ボロボロだったけど…(笑)。
最後は、『恋のインビテーション』。会場からの盛んなコールで、ヴォーカルのこずえちゃんは泣いていた。美雪ちゃんも、笑顔を見せながらも涙を流していた。
もう、二期生だけがそろってステージを行うことはない。
この日、二期生ファンにとって、もう一つ重要な出来事があった。それは、[静寂向上委員会]。「新・静寂」には入らなかった博子ちゃん、《新・静寂〜 デビュー・コンサート》のみに参加した愛ちゃんも加わり、やはり5人が揃っているのだ。
リーダーとなってテンションの高い表情が多い博子ちゃんも、ここではリラックスした、いい笑顔を見せている。
曲は、『さよならは出逢いの明日へのしるし』『夢は眠らない』『若き知恵を讃えた天使たちの詩』の3曲。
智子ちゃんは、声がよく出ていて堂々とした歌になっていた。『さよならは〜』を聴くと、卒業を実感してしまう。そういえば、昨年の今頃は、久美ちゃんが歌っていたことを思い出す。美雪ちゃんがこうして歌うのは、これが最後だ。以前より力が抜けていて、ていねいな『夢は眠らない』。優しさのにじみ出る歌唱は、《謹賀の宴》で最後に歌った『君だけの道』を思い起こさせ、とてもよかった。
「新・静寂」は、二期生のためのユニットであったと、個人的に思っている。SKiのよき伝統を引き継ぎ、落ち着いた雰囲気とともに、集団と個の溶け合いが素晴らしかった。結果的に、現在のSKiに対するアンチテーゼとなっていると言えるかもしれないが…。
昨年8月25日、《真夏の祭典》と同じ時刻に行われた名古屋のイベント{本誌vol.10参照}。新幹線でとんぼ返りしなければならないのに、私は行ってしまった。5人そろって出るイベントは、そうそうない。いや、無意識のうちにも「最後」を覚悟していたんだと思う。歌われた曲は、SKiのオーソドックスなものばかり。最近にしては珍しい「歌のステージ」で、割とおだやかな雰囲気で進行していく。
確かに、二期生は千秋ちゃんを除き、個性あふれるメンバー揃いとは言えないだろう。すなわち「分かりやすい」というわけではないのだが、どこか親しみやすいところがある。そして、集合体となったときに醸し出される“温かい雰囲気”が私は好きなのだ。菜々ちゃん時代の寿隊、久美ちゃんの静寂でも、二期生のサポートはとても重要な役割だったのだ。
まだ、名前さえ知らなかった頃に、偶然ビラをもらった智子ちゃん。その時は古い二期生3人で配っていた。やがて、こまばへ行くようになり、すぐ新二期生の入会。
あれから2年半。密度の高い時間が、あっという間に経過していった。今、振り返ると、二期生とともに歩んできたと思う。できれば、まだ続いて欲しかった。
これからは、博子ちゃんと愛ちゃんだけが残る。二人には、最後まで二期生としての誇りをもって活動してくれれば私はうれしいし、卒業したメンバーもきっとそう思っているのではないだろうか。
ひとりひとりの自己主張は弱いかも知れない。まとまっても、強烈なものがないかも知れない。私たちは、その中に様々な魅力を見いだしてきた。一般論として語られることのない、ファンそれぞれの「二期生像」を持っているのではないだろうか。“二期生の時代”がなくても、三期生の方が出番が多くても、彼女らに出会えたことを素直に喜ぼう。
最後に、卒業式での美雪ちゃんの言葉を紹介したい。
博子ちゃんの「SKiに入ってよかったことは何ですか?」の問いに、しばらく沈黙した後、こう答えたのであった。
「みんなに会えたことです」。
[文・写真とも:論説委員■夢野 雫]
【お知らせ】
2月号(ペーパー版)をお買い上げの方に配布した、松本美雪卒業記念ミニコミ【春になれば】を、私のホームページに掲載しています。12人のファンによる、美雪ちゃんへの想いが綴られておりますので、是非ご覧ください。
《[みーつー]、がんばれ!》
KS3の〈97年2月(卒業生特集)号〉を読みました。どの方の文章も、今回の(メンバーの)卒業に関して“前向き”に捉えていらっしゃるなと思いました(いゃ、そうせざるを得ないのだろうとも思います)。
でも、みなさん心の底では悲しんでいらっしゃることでしょう。かく言う私も、相当な悲しみを引きずっています。りょんりょん[片桐陵子]は、私にとって別格扱いの娘でしたから余り詳しくは述べませんが、彼女以外だと松本美雪ちゃんのことが一番印象深かった…と言うか、淋しかったですね。
96年10月の《マラソンコンサート〔日比谷〕》のとき、「あぁ、たぶん美雪ちゃんは辞めるのだろう…」と思いました。私の知り合いの話では、もっと早い時期から「辞める」という噂が流れていたそうです。美雪ちゃんのことで、何故、相当なダメージがあったかと言いますと、実は「りょんりょんよりも前の一推しが、彼女だったから」なのです。
95年7月9日、寿隊公演最終日。私は、前売りチケットを買っていませんでした。大学の前期テストが近かったからです。
しかし、どうしても美雪ちゃんに会いたくて、親には内緒で(昼の部だけでしたが)当日券を買って、コンサートを見ました。もっともっと、“みーつーコール”をやりたくて…。
話は戻りますが、「せっかくの《卒業式》なのだから、もっと卒業生に語らせてほしかった」と個人的に思います。(今までの卒業式は)何だか、さらっと済ませてしまった感がするのです。「言葉は要らない」と言う方もいらっしゃるでしょうが、やはり私はじっくりと話が聞きたかったです。約5時間にも渡るコンサートだったのですから、その内の1,2曲ぶんの時間を割いてでも、卒業生のスピーチに充ててほしかったと思います。
さて、今後の美雪ちゃんはどうなるのでしょうか? 要らぬ心配かも知れませんが、少し考えてみたいと思います(苦笑)。
結論から言いますと、就職先はすぐに見つかると思います。というのも、私の父は大学の教員をしていまして、家でも就職の話題はよく耳にします。その中で、企業側もはっきりと公表しているわけではありませんが、(同じくらいのレベルの学生が集まったときには)少々資格など持っていなくても、ルックスが良いほうを採用するようです。ただし、“女性”についてはの話ですが…。美雪ちゃん程のルックスがあれば、十分過ぎると思います。
ただ、本人がいつか言っていたような、「語学力を生かせる職業」に就けるかといえば、苦しいかも知れませんが…。
社会人になっても、持ち前の優しさを持ち続けていってほしいものですね。
[埼玉県/(りょんりょんの人 改め)ミミへの夢追い人]
[ 97年6月号目次 ]