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 編集委員室から  誰がためにメッセージは送られるのか


 ステージの上で「団塊の世代よ、恥を知れ!」と絶叫が起こる。
 そのとき私は、なんとも形容しがたいような割り切れ無さを心の奥底に感じていた。

 SKiの「メッセージを送る」というコンセプトは「十代半ばのごく普通の女の子たちが感じた様々なことを、SKiのあらゆる活動を通して皆に伝えていく」というものだと私は考えている。
 このようなアジ演説調の歌が、今時のごく普通の女の子の思考から出てきたものであるはずはない。そのため私は見ていて珍妙だとしか思えなかった。
 だが、そんなことはやる前から考えなくても分かるはずだ。何故こんなトンチンカンなマネをするのであろうか。私は不思議でならない。

 前号の「My BEST10」で「SKiの世界の中には、様々な世界があって良い」と私は書いた。ただし、それはあくまでSKi本来の魅力である「可愛らしさ」「女の子らしさ」を踏襲した部分であらゆる表現の方向性を模索するべきだと言う意味で書いたのであり、何をやっても許されると言った意味ではない。
 『地球に愛を』のような楽曲で等身大のメッセージを送るSKiの姿には魅力がある。だが、昭和40年代の学生闘争のようなイメージを借り物のような形でまとい、舞台でアジるというアクションはSKiにはとても似合うとは思えないし、やる意味がないのだ。
 そんな訳で、この“過去を振り返るな”とかいう主張の曲はSKiが歌うには実に不釣り合いとしか思えず、いかがなものかと私は思う。
[大阪府/ブルーウェイブ]

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