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Hellow vs 4人1組 〜SKiのユニットについて思うこと〜

手束真知子
「お花見」2003/03/30 野川公園
撮影/ゆめのしずく

 SKiというグループの魅力の1つとして、多彩なユニット群を挙げることができる。その中でも、去る3月22日にコンサートを行った4人1組とHellowは、来たる6月22日にコンサートを行う寿隊とともにユニットの「御三家」と言える。

 4人1組は、SKiでは最も長く続いているユニットだ。初登場は93年10月公演だったから、中断期間があるとはいえ、今年で結成10周年ということになる。当初のメンバーは、いずれも1期生の吉田未来・滝本久美・松田ゆかり・白石桃子だった。デビュー曲は「大人はわかってくれない」、どことなく60年代ポップス風のこの曲は、コーラスの美しさもあって、私はすっかり気に入ってしまった。
 以後、4人1組のメンバーは、95年2月の吉田未来脱退後は田村千秋(2期生)が加入し、96年春の1期生卒業後は本田博子(2期生)・菊地彩子・橋本美香・内田絵美(3期生)、98年春の菊地・内田の卒業後は本田・橋本に川野朋美(4期生)・秋山文香(5期生)と変遷した。メンバー交替は多かったが、基本的なスタンスは結成当初からあまり変わっていない。望月菜々時代から大きな変貌を遂げた寿隊とは対照的な存在といっていいだろう。

 2000年2月、一度は解散した4人1組だったが、昨年5月に復活した。メンバーは吉田梢(6期生)・星川りりか・河野伶奈(7期生)・松本久美子(8期生)だった。ところが、なぜか今年2月、吉田・星川はメンバーから外れ、手束真知子・山越千歌(9期生)と交替した。この件に関しては、あまりに突然のことだったので、ファンの間でも賛否両論があるようだ。私の個人的な意見としては、FCチケットが旧メンバーの写真で発券されている以上、3月公演まではメンバー交替をするべきではなかったと思う。
 とは言っても、新生4人1組のメンバー構成が悪いというわけではない。松本の高音、河野・山越の中音、手束の低音と、音域のバランスが取れているので、コーラスの美しさは充分に堪能できた。特に、3重コーラスを見事にこなしていたことは評価したい。
 ただ、メンバー交替から日が浅いこともあって、振り付けやフォーメーションには課題が残ったと思う。それと、手束の表情にやや硬さが見られてのが気になったけど、回を重ねれば解決される問題だと思う。4人とも歌唱力という点では大きな問題はなさそうなので、ユニットの王道を歩む存在として期待したい。

山越千歌
「お花見」2003/03/30 野川公園
撮影/ぜろ

 対するHellowは、95年5月公演で橋本美香・菊地彩子・斉藤美緒子(3期生)のトリオが「ダンシングセブンティーン」を歌ったことがきっかけでできたユニットだ。フリフリの衣装に派手な振り付けで、4人1組以上にアイドル色が濃いと言える。
 2000年は、橋本に中井祐子(4期生)・秋山文香のトリオでアルバムを発表し、単体でコンサートを開くなど、目覚ましい活躍を見せた。昨年は秋山のSKi復帰にあわせたように復活し、橋本と松尾真冬(8期生)のトリオになった。
 ただこのメンバーだと、年齢的なアンバランスは隠しようもないのだが、それでも成り立ってしまうのは、Hellowというユニットが結成以来ずっと橋本美香をベースにしているからだろう。秋山を再びメンバーにしたのは、橋本の強い意向によるものだと思う。恐らく彼女は、親友の秋山と組むことにこだわったのではないか。
 Hellowは、もともとが10代の女の子を想定してできたユニットだから、橋本と秋山には多少無理があると言わざるを得ない。しかし、3月公演で「アイドルに年齢はない」と断言した彼女たちだから、ここまできたらアイドルを貫いてほしい。25歳までアイドルを続けた吉成圭子という偉大な先輩もいたではないか。彼女たちのそういう姿が同じHellowのメンバーの松尾、ひいてはメンバー全体に伝わってこそ、SKiは真のアイドルグループになるのだと思う。

 最後に、これはどうしても言っておきたいことなのだが、静寂向上委員会をなんとか復活してもらえないだろうか。古風な女学生のイメージに優れた楽曲群を揃えた魅力あふれるユニットを、もう一度見てみたいと思っているファンは多いと思う。上記の「御三家」に静寂も加えて「御四家」になれば、ユニットのバリエーションも増えて、SKi全体にも大きなプラスになると思うのだけど。

[編集委員■本間 寛]
 ※ 文中、敬称略とさせていただきました。


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