last update:98/11/22
イベント・レポート

えりりん号で富山へGo!

BY ブルーウェイブ (大阪府)

 98年8月1日・アピア富山(14:30〜),新湊まつり(20:00〜)

アピア富山

撮影:山野麦文

 近畿地方の梅雨明け宣言が発表されて間もない8月1日に、私は遠路はるばる富山までSKiのイベントを見に行ったので、その報告をしよう。
 メンバーは私とKS3編集長みのる氏、そして京都在住のKS3読者T氏の3人。
 京都駅に朝8時に集合。のはずだったのが、予想外の近畿道と名神高速の渋滞にはまってしまい、出発が9時前になってしまった。この時初めて出演メンバーが、伊藤嘉代子・秋山文香から井上裕紀子・久川由美子に変更された事を知った。
 京都からはT氏の愛車コルサに乗り、一路北陸富山を目指す。T氏はかつて名古屋でのサイン会で、もう一台の愛車マークIIの車検証入れに橋本美香のサインを入れてもらったという猛者で、このコルサの車内にも「えりりん仕様」の改造(?)が施されている。そこで私はこのコルサを『えりりん号』と言う愛称で呼ぶことにした(爆)。
 京都を立ってからは、名神・北陸道ともに道路状況は順調そのものであったが、いかんせん京都を立ったのが遅かったため、12時を回っても福井の北鯖江インターまでしか着けなかった。富山までまだ100キロ以上もある。
 そこでT氏と運転を交代。オービスと覆面パトに気をつけながらの「平均巡航速度1?0km」作戦で、なんとか2時前に会場の『アピア富山』ショッピングセンターに到着することができた。遅刻しないで良かった。

 会場は2階の『レコードショップ・エコー』の店頭であった。ステージの前にはすでに30人程の遠征組。急なイベント開催のため列車の切符が取れず、やむを得ず朝一番の飛行機で来たという人もいたそうだ。一般客も同じくらい集まっていた。小さな子供をつれた家族連れや、中学生くらいの女の子が多い。アイドルイベントが珍しいという場所柄か、都心のイベントとは違い、皆、興味津々という表情で登場を待っている。
 CDの販売が始まった。今日発売のアルバム『◯でない少女の×な生活』を早速購入。整理券番号は14番。
 ジャケットを見ると写真もかわいく取れているし、デザイン的にもきっちりしていてよろしい。コンサートで好評だった『強がり』『雨の日曜日』なども収録されている事からして、こいつは内容的に期待出来るぜ。
 開始予定時刻の2時30分から10分くらい過ぎてイベント開始。出演メンバーは、本田博子・久保愛・井上裕紀子・川野朋美・久川由美子の5人であった。まずはごあいさつ。続いて、今日出たアルバムについて一言。
 「このアルバムで私は初めて詩を書かせてもらい、レコーディングにも参加させていただきました。『雨の日曜日』はとっても気に入っている曲なので、聞いてみて下さい」と川野朋美。
 「『コンプレックス』はアカペラなのにキレイに歌われているので好きです」。これは久川由美子。
 1曲目はイベントの定番曲『同級生』。その後は久保愛のMCで、長野県・白馬の方へ『シッティング・バレーボール』と呼ばれる、身障者スポーツの大会に参加したこと。SKi基金で同世代の『水上温泉ツアーをプレゼント』したことなどを報告した後アルバムより2曲。『やさしい微笑み』と『◯でない少女の×な生活』。
 『やさしい微笑み』はひさかたぶりの久保愛ソロ曲。『◯でない〜』は、本田・井上・久保のベテラン3人のハーモニーがイケル。
 「昨年の12月にレコーディングで北陸に来た」と言う井上裕紀子のMCの後、4曲目井上ソロの『Letter』。
 その後はアルバムタイトルに引っかけて『◯×』クイズ大会。商品は各メンバーのサイン色紙。
 その問題とは…。

久保愛「私は乗り物に弱くて、車や列車での移動の時はいつも『酔い止め』の薬を飲むのですが、今日、ここ富山に来るときも『酔い止め』を飲んできた」。(正解 ×)
川野朋美「富山名物『ますのすし』。私は今までに食べたことがある」。(正解 ×)
本田博子「私が今日飛行機に乗るのは5回目である」。(正解 ×)
久川由美子「私は今までに、富山に行ったことがある」。(正解 ◯)
井上裕紀子「私は今朝時間が無く、朝食を羽田空港で食べたのですが、そのメニューは? (1)カレー(2)サンドウイッチ(3)ピラフ」。(正解 (1))

 『ますのすし』って、スーパーやデパートの『全国駅弁大会』なんかでは結構ポピュラーなメニューなのに今まで食べたことが無いってのはちょっと意外。朋美ちゃんいわく「これから食べます」だって。
 本田博子さん、最初は「飛行機に乗ったのは何回目でしょう?」と言ってから、あわてて◯×クイズで無い事に気づいて「5回目である、◯か×かっ?」と問題を言い直してた。相変わらずですなぁ(笑)。
 井上裕紀子さんの問題では「全部ー!!」と答える人がいて「なんでですかーっ!違いますよー!」とゆっきい、ちょっとご立腹の様子(笑)。ところで、どうしてゆっきいだけ問題が三沢なんだろう?
 いよいよラスト2曲。まずは本田博子ソロ『18才』。彼女は楽曲によって出来・不出来が極端に出る人なのだが、こう言ったちょっとオトナびたナンバーを歌わせると抜群にうまい。そして定番『地球に愛を』で終了。
 握手会では井上裕紀子の色っぽさと、握手会の列に並んだ子供に向けた川野朋美のはちきれそうな笑顔が、共に私の印象に残る。
「朋美ちゃんって弟がいるじゃない。きっとああ言う小さい子供のこと、好きなんだよ」とみのる氏。まったくその通りだと思う。T氏はおみやげに京都限定販売の『ジャイアント・抹茶コロン』を、皆を代表して博子ちゃんに渡していた。ちゃんとみんなで食べてくれたかなあ?

 『◯でない少女の×な生活』をBGMに、えりりん号で国道8号線を南下。フロントガラスに大粒の雨がポツポツと張り付きはじめる。はたして、この後の『新湊まつり』は大丈夫なのだろうか…。
 『新湊まつり』の会場へたどり着くのには大変苦労した。最初は海辺の海王丸公園へ。間違えたと気づき実行委員会に電話をかけて場所を細かく聞き、激しい夕立ちの中、新湊の町中をグルグルと走り回った。
 ようやく会場を探し当てステージ位置を確認出来た頃には、すでに時計の針は午後6時半を回っていた。近くのスーパーの駐車場にえりりん号を止め、男三人狭い車中で遅い昼食をとる姿はまさにトホホ物であった。
 腹ごしらえを終え、だんじりや盆踊りの集団がメインストリート(と言っても、大して広くない道路であったが)をパレードしていく横をすり抜け、一路会場奥に設置されたステージを目指し歩いていく。駐車場から距離があったため、着いた頃にはもう汗だくであった。
 会場は港へと抜ける運河の際にあり、ステージのすぐ後ろに漁船が係留されていたのが面白い。開始の時間が近づいてくると、昼の『アピア富山』と同じように、地元の人たちが老若男女を問わずにやって来た。
 彼らもまた、アイドルや芸能人に対しての純然たる憧れを持って会場に足を運んだのであろう。こういった会場の暖かい雰囲気はそうそう見られない。本当に、いいですねぇ。
 しかし暑い!。とにかく蒸し蒸しとして暑い!後に聞いたところによると、この日の富山地方の湿度はこの夏一番の高さだったと言う。上着を脱いでTシャツに着替える。時計が8時を回った。

 司会のお姉さんが登場。「司会をつとめさせていただきます“きくちよしえ”でーす」と自己紹介をすると、その瞬間にファンさんたち大喜び。こんな事ぐらいで騒ぐなよ(苦笑)。本職は地元民放局のアナウンサーらしい。しかし、こういったステージの司会は結構手慣れているような感じで、ファンさんたちにツッこみを入れつつ、てきぱきと進行させていく。
 さあ、いよいよ制服軍団の登場だ。まずはごあいさつとして1曲目『制服宣言』。続いて2曲目『うたかたの夢』。博子と愛を従えメインを取るのは川野朋美。3曲目は『同級生』。
 ここで最初のMC。いつも通りの『制服向上委員会』のグループコンセプトの説明に、メンバー一人ずつ自己紹介。その後この日リリースされた『◯でない少女の×な生活』の話題。
 「私は素直に思っていることとかを言えないので、この歌に自分の本当の気持ちをこめてみました」。
 こう言ったのは『強がり』を書いた井上裕紀子。すると司会のお姉さんがこう返す。
 「好きな人がいると、好きだと言えないタイプなんですかねぇ」…。
 「そうですね‥」と、照れ臭さそうに笑うゆっきい。(この司会のお姉さんかなり上手いよ。感心したぜ)。
「雨の日曜日だったら彼にも会えないし、デートもつぶれちゃうって言った、女の子の気持ちを考えた曲なんです」と『雨の日曜日』の川野朋美。するとお姉さん「雨の日曜日は(朋美ちゃんにとって)そう言う感じがあるんですか?」と、これまたシュートな突っ込み。
 「いや、私自身は(笑)…。女子高なのであまり男の子とは関わりがないんで…、そう言う気持ちはわかんないんです。友達の話とか聞いていると、そう言うのを感じてるんで」。ホントかな(笑)。
 『◯でない少女の×な生活』『素直な良い子』『涙が消えるまで』『ラッパーバッカー』と続けて4曲。
 『涙が消えるまで』は歌もさることながら、スポットに照らされた井上裕紀子の、大人っぽい表情が実に良かった。見ていて私は「こんな娘と二人で、一緒に花火でも見に行けたらなあ」なんて思ったりもした。
 しかし新湊のみなさんの前で、あの『ラッパーバッカー』を歌うかぁ?私は楽しかったけど(笑)。
 この時、ステージ横のテントの中で川野朋美が、自分が覚えた振り付けを一つ一つ確認するかのようにステージに合わせステップを踏んでいた。近いうちに彼女はこの曲でステージに立つのであろうか。
 久保愛のMCでIJRの紹介と、『ストーカー防止法』制定へ向けての活動について話した後、お待たせクイズコーナー。商品はSKiのCDとビデオのセット。「おおっすごい。結構太っ腹じゃん」と思ったら、『ローカルルール』起用で、地元の人たちを優先して当てるそうな。「追っかけて来た君たちには『よみうりランド』もあれば『豊島園』もある」からだって。あーららら〜。
 でも、こいつはもっともな話だ。ここで私達がもらっても意味はない。やっぱりSKiのステージを楽しく見てくれている、地元のお客さん達にプレゼントするのが当然であろう。

久保愛「私が最近、ハマッている食べ物は? (1)杏仁豆腐(2)タピオカ(3)ナタデココ」。(正解 (3))
川野朋美「私が今日、起きた時間は何時でしょうか? (1)朝5:00 (2)朝5:15 (3)朝5:30」 (正解 (3))
本田博子「私は先日、地元で行なわれたお祭りに行ってきましたが、最初に行った夜店は? (1)ソースせんべい(2)あんずアメ(3)かき氷」。(正解 (3))
久川由美子「私の今日の朝ごはんは? (1)食べなかった(2)アンパン(3)お菓子」。(正解 (3))
井上裕紀子「私が最近、始めたスポーツは? (1)サーフィン(2)ボディボード(3)ロンクボード」(正解 (2))

 再び歌のステージへ。『キュンとする』と『恋はおいしい』。
 『キュンとする』は本田博子ソロ。現在の彼女の歌声には、かつての吉成圭子に似たフィールが感じられる。彼女はアイドルとして、いよいよ完成の極みに来たと言って良いであろう。
 『恋はおいしい』では、久保愛と川野朋美の二人がステージに上ったのだが、スピーカーから聞こえてくるのは3人の声。どうしたことかと良く見ると、井上裕紀子がテントの中で歌っていた。こいつは一体どうしたことなのであろう。伊藤・秋山に代わって急きょ富山へ行くことになったため、この三人で振りを合わせる暇がなかったのであろうか。
 そして、なんとここで、ステージから3人地元のお兄さんを上げての『新湊まつりスペシャル・緊急公開生徒総会』が決行された!ファンさんから上がるどよめきの声。さすがにこれは皆予想がつかなかった。
 『制服のリニューアルに賛成か反対か』『変な校則は直すべきか』『イヤな先生とどうやって付き合うか』の3つの議題で話をしたのだが、いまいち盛り上がりに欠けてしまった感じがした。
 『公開生徒総会』も終わり、ステージもいよいよ佳境へと入っていく。『寿司屋のマスター』『傷だらけの青春』そして『DANCE DANCE DANCE』。
 さすがにこのあたりに来ると皆、声がへろへろになっていた。Tシャツ一枚の私でもキツイ状態なのに、重い制服をビシッと着込んで歌い踊るのだから、これは無理もない話。
 それでも振りは皆キメていたのはさすがだった。特に川野朋美のシャープさは特筆出来る。時々振りを間違えるのはご愛嬌だが、一つ一つの動きにメリハリがあり、かつピシッとしているので、見ていて心地よい。
 最近の川野朋美の姿を見ていると、近い将来自らがSKiの看板を背負って、先頭に立っていくと言う自覚が出てきたように思える。現リーダー・本田博子の持つ雰囲気を身に付けて行き、SKiを支えるファンさんに対して接していこうと言う姿勢がおおいに感じられるのだ。それは大変喜ばしいことである。
 この秋のX−Dayの主役となるのは、川野朋美その人なのであろうか。
 この日、ステージを見守った30人あまりのファンさんたちも皆、同じように感じていることであろう。
 オーラスはもちろん『地球に愛を』。こうして長くも短い、富山の夏の一夜は終わった。

 『えりりん号』で一路京都を目指す。それにしても富山は遠かった。しかしこの日走った往復約600キロは、この日見聞して来たモノを考えると決して遠くはなかったと思う。(とは言え、運転したのはほとんどT氏だった。ありがとうございます)。
 さあ、次は夏の総決算『真夏の祭典』だ!


♯文中に出てきたメンバーのセリフは、読みやすくするために意味を変えず一部リライトしております。そのため、実際にメンバーが喋った言葉そのものとは多少違いますので、ご了承ください。




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