心の行方 Vocal/Eriko Miura
私は普段ラップとかほとんど聴かないのでよくわからないが、なんだか最近の中高生の事件を思わせる感じがする。
美香ちゃん作詞であるが、なんだか曲調と意外にもマッチしているのが私にとってある意味驚きである。
もっと驚いたのが、えりりんがラップ調の曲も安定して歌えている点である。私が思うには、歌というのは歌い手の心いかんによって、同じ曲でも大きく変わってくるのを感じている。
その点えりりんは楽しみながら歌っていると私は想像しますけどね。
【竹ちゃん】
最近多発している少年犯罪について歌った曲らしい。
作詞の美香ちゃんにしても、ボーカルのえりりんにしても、あまりこういうタイプの曲には合わないように思うが、要はレパートリーを広げようということなのだろう。その意欲は評価したいと思う。
曲調は、SKi には珍しいラップ調の曲なのだが、『Rupper Bucker』のレベルには惜しくも到達していない。ちょっと中途半端な感じがする。やるんなら、もっと徹底的にやればよかったのに。
【本間寛】
『今すぐ立ち上がれ』と同列の、やたらと直接的な歌詞。
『何かのために』みたいな曲ばかりがメッセージソングだと言うわけではないが、引いてしまう。
【ゆめのしずく】
正直なところ、歌詞としてまったく練れていない。
酷なことを言うと「この程度のことなら、中学生でも書けるだろう」と思う。
しかし、実際に聞いてみるとそんなにおかしさは感じない。それはこの曲を歌う三浦恵里子の資質によるモノだ。
えりりんはSKiメンバー中では橋本美香に次いで、音程の上下への追随スピードが俊敏だ。そのため、ラップの早いテンポに上手く乗って、小気味よく歌うことが出来るため、この曲を歌うことになったのだろうと思う。
この曲は“少年犯罪”という割と重いテーマの詞が、えりりんの声のキャラクターと、ラップのリズムにより、上手に“毒消し”され、結果オーライ的に曲としてうまくまとまった。
そんな意味で私にとっては、詞・曲・歌い手のキャラという、楽曲を構成する要素のバランスというものがいかに重要なものかを、色々と深く考えさせられた一曲であった。
【ブルーウェイブ】
1. 歌って歌って 踊って踊って
2. 何かのために
3. 一人ふたり
4. いつか会えたら
5. 心の行方
6. LOVE×2
7. 偶然の一致
8. Y・A・D・A
9. 煌めきの後に
10. ノーメイク
◎ アルバム総評
撮影/ブルーウェイブ_
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