特集「No! Make 全曲レビュー」

ノーメイク Vocal/Mika Hashimoto

　「No Make」は単にメイクをしないということだけではなく、自分の持って生まれた個性を大事にしようということらしい。
　確かに、茶髪、ガングロ、ピアス、ギャルメイクなどは一見個性的に見えても、結局は自分を殺している部分もかなりあるわけだから、私はこの曲のメッセージには同感出来る。
【本間寛】

　少し安っぽい音ではあるが、軽快で程良いグルーヴ感を出しているのが良い。特に２番の終わりからリピートへの、シンセを入れた間奏がグッド。美香ちゃんのヴォーカルもアレンジに似合っていて良い。
　ただし、歌詞に画竜点睛を欠いているのが難点。
　「自由が怒り出して愛の鞭を君に」このフレーズで、楽曲すべてがぶちこわしになってしまっているのだ。
　なぜもっと素直な言葉を使わないのであろうか。
　そう言えば『禁じられたア・ソ・ビ』も「世の中こんなものだよね」というフレーズで、曲がぶちこわされていた。
　「このいわば“ケレン味”こそがSKiの歌詞の持ち味だ」と作り手側が自認しているらしいことは分かるのです。でもどうしてこのようなケレン味をわざわざアイドルの楽曲に入れようとするのでしょうか。このあたりが私には昔から理解できないのです。
　出来れば次のアルバムで、一体これはなぜなのかの回答を出して欲しいですね。
【ブルーウェイブ】

　コーラスの使い方が新鮮。グループものだからこそ生きる手法である。
　メロディも耳に残り、音の厚みもなかなかある。歌詞はもう少し吟味して欲しかったが、分かりやすさを前面に押し出したとみることもできる。
　等身大の中・高校生の視点から語っているような感じだろうか。
　例えば「みんながそうするから」という考え方は理解できないわけではない。それが一つの方法として、大人があえてするのはまだいい(横並びが良いと言っているのではもちろんないが)。十代のうちはもっと自分らしさに自信を持って欲しい。
　それが難しい社会だとしたら、少しでも変えていこうよ。そんな意味合いがこめられている曲。
【ゆめのしずく】


橋本美香 　 1. 歌って歌って 踊って踊って
　 2. 何かのために
　 3. 一人ふたり
　 4. いつか会えたら
　 5. 心の行方
　 6. LOVE×2
　 7. 偶然の一致
　 8. Y・A・D・A
　 9. 煌めきの後に
　10. ノーメイク

　◎　アルバム総評

撮影／ホーカー・テンペスト＿

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